エピローグ




「蘭ちゃんそうそう上手い上手い!ほらっ!そんなに警戒しなくて大丈夫だから」


「で、でも凛ちゃん今襲われたら危険です」


「蘭ちゃん大丈夫よ、海の魔獣はこの世界にはいませんから」


「なっちゃん確かにそう聞いてはいますが、もしもいたらと考えると蘭は海での戦闘は苦手なのです」


「じゃああっちの浅瀬に行こうよ!」


「そうね、蘭ちゃんが慣れるまであそこで遊びましょ」


「あそこなら蘭は戦えます!凛ちゃんとなっちゃんを守ります!」


「だから魔獣はいないんだってば〜」


「ふふふ…蘭ちゃんたら」


「ダーリン!ダーリンもこっちで遊ぼうよー」


「ああ、今行くよ!」


 少し沖の方で立ち泳ぎを蘭に教えていた凛と夏海が蘭と何か話してから浅瀬の方に移動して行くのをボーッとビーチチェアに寝そべり見ていたら、目が合った凛からお呼びが掛かったので俺は身を起こしビーチフロートを抱えて恋人達の所へ向かうのだった。イチャイチャセクハラする為に…


 俺達は今、沖縄の離島にある探索者協会が運営している全30室の会員制高級リゾートホテルのプライベートビーチにいる。

 ここは社会的地位や知名度の高い有名人など少数の限られた人しか宿泊する事ができない、島に一つしかない宿泊施設だ。


 元々無人島だった島を探索者協会が買取り開発した島なので島民はおらず、本島からの移動手段はヘリコプターのみとなる。俺達はマスコミも一般人もいないシルフィーナが手配してくれたこの島にバカンスに来た。いや、隔離されたとも言う。


 今から2ヶ月前のあの日、資源省のビルを崩壊させた俺と蘭は横浜のホテルに戻った。


 深夜なのに起きて待っていてくれた凛と夏海を抱きしめ、全員で一緒にお風呂に入りマッサージしてもらったり洗いっこしたり、マットに寝そべる俺の足下で蘭主導のもと3人が口で俺の暴れん坊を舐めてくれたり、蘭に凛と夏海が夜の弟子入りを懇願するハプニングがあったりで楽しい入浴タイムだった。


 そしてその後、皆には先に休んでもらい俺はシルフィーナとメールをしながら動画の編集をせっせと行い、朝方にやっとM-tubeに投稿し終え3人が寝ているベッドルームに行き蘭のとなりで眠りについた。


 翌日世間は大パニックに陥っていた。


 連日世間を賑わせ、ほぼ毎日ワイドショーやニュース番組で俺と蘭は横浜を救い上級ダンジョンを実質たった2人で攻略した探索者と言われていた。英雄だとか救世主だとか、これで日本はもう大丈夫だとか報道されていたそのタイミングで、今回の俺の動画が投稿され同じ日に資源省のビルが隕石衝突により崩壊した。


 世間は過去の政権と資源省と警察に対し大ブーイングだった、『資源省は即刻解体しろ!』『倉木氏がいなくなれば日本が滅ぶ!』『恩を己の欲の為に仇で返した資源省は解体しろ!』『民主主義を取り戻せ!』『資源省は解体し高級官僚は全員死刑にしろ!』『警察と検察は無実の罪で投獄された者達を即刻釈放し賠償をし全員上級ダンジョンに入れ!』『もう警察は信じられない厳しい処罰を!』『過去の政権を担った者達を徹底的に追及しろ!』などなどそれは皆怒りに震えていた。俺はホテルでイチャイチャしていた。


 隕石落下は倉木氏がやったに違いないと騒ぐ者もいたがそんな事は皆勘付いており、『オイッ馬鹿やめろ!倉木氏を刺激するな!』とか『日本から出て行ってしまうもう喋るな!』などと言われ袋叩きにあっていた。


 俺はあの日氷像をバックにメッセージを視聴者に送っていた。


『これが今の日本です上級ダンジョン攻略者の恋人を誘拐し戦利品であるダンジョンコアを奪おうと警察まで協力しているこれが今の日本だ』と、『俺はダンジョンコアよりも恋人が大切だからこんな物はいらない』と言ってその場で剣でコアを粉々に破壊してみせた。もちろん蘭の幻術で氷の塊をコアに見えるようにした物だ、他国のエージェントが奪いに来ても面倒だからね。


 そして続くメッセージで俺は『資源省を解体し現在から過去に渡り資源省の犯罪に関わった全ての者への厳しい処罰と無実の罪で投獄された者の即時釈放及び名誉回復と賠償、資源省によって殺された者の遺族への謝罪と賠償が行われない限り二度と氾濫への対応も上級ダンジョン攻略も行わないし日本を出て行く、毎年増え続ける上級ダンジョンの影に怯え続け勝手に滅べばいい。俺達を受け入れてくれる国はシルフィーナ理事長まで連絡を』と言って録画を終わらせた。


 横浜ダンジョンが氾濫してから俺と蘭への称賛と同時にテレビではもしあの時、倉木氏がいなかったら?というシミュレーションを行っていた。旧横浜駅周辺の住宅地帯は全滅で、中華街も壊滅し多くの女性達がオークの繁殖用にされていただろうと言うシミュレーション結果だった。


 脅し過ぎやオーバーだと言う声もあったが、過去の氾濫で戦った探索者の意見やその被害状況と合わせてシュミレートした物なので割と現実的だと言う声も多く、改めて過去の氾濫時の被害を見直す番組もあちこちで報道されていた。

 ある番組では最初は10にも満たなかった上級ダンジョンで過去あれほどの被害を出したのに今は23ヶ所もある。次同時多発氾濫が起こったら日本が滅ぶと言う知識人に対し各コメンテーターが激論を交わしていたりもした。


 そんな時に俺の動画投稿だ、反響はもの凄かった!SNSを通じて世界中に拡散された俺の動画はすぐさま多くの国民の知る事となり、ボカシのみOKで切り取りやカットをしない事を条件に各種メディアにも動画の使用許可を出した。それからは連日連夜俺の動画がテレビで流れっ放しだった。


 動画は編集した翌日に凛と夏海にも見せ資源省のビル崩壊の件も話した。凛は動画に大喜びしビル崩壊ではその笑顔が引きつっていたし夏海はあまりのダイナミックさに呆然としてた。


 俺の動画で勝ち目が見えたのか今まで資源省の圧力で何も言えなかったメディアは俺の味方となり連日資源省を叩きまくっていた、世論も将来の不安と警察への不信感から神奈川県警前には住民のデモ、国会前でもデモ、警察庁なんてデモから暴動に変わり怪我人が続出し更に警察は叩かれた。


 資源省は崩壊してもうないのでエネルギー庁に職員が通いデータの復旧など徹夜で作業をしていた。そんな時に深夜エネルギー庁から出てくる職員が何者かに襲撃に遭い2人が殺された。犯人は未だ捕まっておらず、剣で斬られた跡から資源省に恨みを持つ探索者の犯行ではないかと予想された。


 そして翌日資源省のトップである事務次官が自宅で首を吊って死んでいるのが見つかった。その翌日には2人の警察署長が同時期に一人は警察署の屋上から飛び降り、もう一人は自家用車内で練炭を焚き自殺した。


 自殺ラッシュはまだ続き前政権の官房長官を務めた政治家と大手製薬会社の会長に探索者協会からも理事が一人自殺した。


 襲撃と自殺ラッシュにより警察庁がついに政府とシルフィーナを通して俺に泣きついてきた。俺は身内だからといって一切の手加減をせずむしろ厳しく警察内の膿を出す姿勢を見せれば擁護してもいいと答えた。


 警察は形振り構わなかった、徹底的な調査をし多くの探索課の警官や警視の階級にあるものまで処分し起訴した。不当逮捕と不当裁判で拘束された者もすぐ解放されるよう手続きをしているとの事だ。国民にも本気度合いが伝わったと思う、俺は何も擁護しなかったけどね。


 まあ、そんなこんなでシルフィーナにお願いされて政府の人と会ったり自衛隊のダンジョン攻略連隊長や玉田中隊長に会ってお礼言われたり、後始末をしてくれた公安のイケメンオッサンに会ったり、アメリカからの熱いアプローチとハニートラップにちょっと引いたり、メディアの取材を受けたりムカつく記者を殴ったり色々と対応に追われた。


 政府の人と話した感想だが、かなりまともな政府だった、前政権迄の負の遺産である資源省の力を削ごうとかなり頑張ってたみたいだ。

 俺と蘭の戸籍も用意してくれた、佐藤光希がこの世界にいない事には地味にショックを受けたが並行世界だしそういう運命もあったんだろうなとあまり深く考えないようにした。


 政府は横浜ダンジョン跡地の土地所有も認めてくれ、攻略報酬も振り込まれたのでダンジョンコアを政府に売ることにした。今の政権の擁護もサラッと動画やメディアでやってあげようと思うくらいまともだった。総理大臣と官房長官を始め維新民主党の幹部の多くは探索者経験者なのもいい、口だけでは無く戦える政治家なんてカッコいいよね。俺はこの辺をメディアに対して褒めとこうと思った。


 そして手に入った大金で家を建てることにした。横浜ダンジョン壁内の海側の壁を次元斬で綺麗に切り取り氾濫と俺の魔法で殆ど崩れかけている旧デパートやビルを魔法で全て崩壊させ、今まで必要無かったから覚えていなかった土魔法を上級まで覚えて瓦礫を上級土魔法の『地形操作』で地中深くに埋めた。


 こうした事を繰り返し壁内はダンジョン入口以外全て更地になった。

 そして金に物を言わせシルフィーナの紹介してくれた建設会社に建設費の5倍出すから5ヶ月以内に地上5階建て地下2階の鉄筋鉄骨造の豪邸を建てるよう依頼した。その後恋人達を連れ設計事務所に行き間取りや設備の打ち合わせなどかなり忙しくも楽しくワイワイ話し合った。




 こうして様々な対応に追われながらシルフィーナの頼みで色々と相談に乗ったり手伝う事を約束したりで1ヶ月程経過した。


 政府は資源省解体を決め特殊素材庁、魔法素材研究庁、エネルギー庁を切り離し独立させる事になった。


 この頃には資源省の高級官僚はその殆どが拘束、起訴されておりこれは当然の結末だと誰もが納得し俺が海外へ行かないよう警察へ引き続き圧力をかけ監視を続けていた。


 このタイミングでシルフィーナが動いた。過去に幾度も計画し資源省の邪魔により実現しなかった『冒険者連合』を探索者協会の上位組織として新たに設立した。


 この冒険者連合、略して冒連は日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、インド、中台連にある探索者協会が同時に設立した。


 各国の探索者協会は今まで所属国の資本が入っていたり理事に役人がいたりで動きを封じられて国に色々と口を出されていた。そこで国からは完全に独立した世界規模の組織を作ろうという事になり何年も前から準備していたものだった。外国にも強い影響力があった最大の邪魔者である資源省が無くなった今、やっと設立に漕ぎつけたという訳らしい。


 冒険者連合が探索者協会と何が違うかと言うと先ずはその設立目的である。冒険者連合は上級ダンジョン攻略と氾濫鎮圧を目的としている。その為登録資格はBランク以上となり、上級ダンジョン攻略を目指さない者は躊躇無く脱退していってもらう。上級ダンジョン攻略の為のエリートが集まる場所と言う事になる。


 各国政府は何年も前からの根回しと現状探索者はお金を稼げればいいと思う者が殆どで、企業もそれを助長しており探索者はダンジョンを攻略する気が無いと判断していた所に今回の横浜上級ダンジョンの予想できない氾濫もあって冒険者連合設立を認めた。


 ざっとだが、以下が登録条件と待遇と所属するにあたっての義務だ。


 冒険者連合登録条件


 一.Bランク以上の探索者である事。

 二.上級ダンジョン攻略を目指す者である事。

 三.契約魔法を受け入れる事(民間人への暴行不可)


 待遇


 一.魔石買取額は探索者協会の倍額とする

 二.依頼達成ポイント制度有り

 三.特別保険制度(部位欠損時上級ポーション半年以内に配布その他死亡保険有)

 四.連合保有のヘリ及びジェット機の使用権利

 五.ダンジョンアタック中の移動滞在費無料

 六.下層アタック時上級解毒薬貸与

 七.事件事故に巻き込まれた際の連合のバックアップ制度

 八.貸付金制度の利用

 九.休業保証制度(月50万支給出産2年間、病1年間)

 十.保育施設完備

 十一.引退時の連合職員登用制度


 義務


 一.毎月Cランク以上の魔石30個の納品

 二.緊急依頼の受託義務

 三.連合主導のダンジョンアタック又は氾濫発生時にレイドへの参加義務



 以上が大体の待遇と義務だ、探索者協会に比べかなりの高待遇となる。部位欠損時に上級ポーションが配布されるだけでも魅力を感じるだろう。これは俺が素材を貰った分だけ冒連に販売する事になっている。


 また、契約魔法だがこれも俺が魔道具を作り参加国の冒連に貸与する。契約内容は一つだけしか付与してないので書き換えは不可能だ。民間人への暴行不可だが例外として正当防衛時と本人に近い人間が命の危機にある場合(人質に取られ言う事を聞かされるなど)、元探索者や元冒険者が相手の場合は例外となる。犯罪者討伐依頼があるからね。


 違反時には心臓への激痛と手の甲に青い紋章が浮かび上がる。それを見て調査を行い脱退させるかペナルティを与えるか判断する事になる。


 ポイント制度だが、冒険者連合の上級ダンジョン近くにある支店で依頼等を受け達成して行く度にその難易度によってポイントが貰える。このポイントを貯めると豪華アイテムと交換できる。上級ポーションや解毒薬、黒鉄の剣や防具に俺お手製の魔道結界盤や中級の各魔筒など複数の魔道具がラインナップにある。


 シルフィーナが初代議長に副議長にアメリカ探索者協会理事長がなり基本合議制になるが議長は日本国と言う事で発言力はかなり大きくなる。

 そして冒険者連合は現状のランクに加えSSとSSSランクを追加した。俺の為らしい。

 俺は加入をお願いされた際に条件として俺のパーティには契約魔法と一切の義務を免除してもらうと言ったらそれは認められた。


 上級ポーションや上級解毒薬に各種魔道具は俺しか作れないからだ、これだけで十分貢献しているという事だ。


 そういう訳で俺は美味しいとこ取りで登録をする事にした勿論蘭と凛と夏海もだ。


 冒険者連合は発足後多くの人が登録したがった、探索者協会より上位の組織でポイント制度の豪華景品と福利厚生が分厚い事が理由だ。


 世論の評価も契約魔法の存在が効いたのか、今までは一般人に比べ驚異的な身体能力を使い犯罪を侵す者や乱暴者が多くあまり良く思われていなかった探索者と違い、まるで世界を救う救世主かのようにどのメディアも持ち上げた、冒連のロビー活動の賜物だ。


 探索者が一般兵なら冒険者は竜騎士というような印象差がつけばCランク以下の者は発奮してランク上げに励みBランク以上の者は皆冒険者登録に向かった。ちなみに自衛隊は国軍なので登録はできない。


 現時点で冒険者登録数は1万4千人となった。日本が当然多く凡そ5千人が登録している。

 日本には探索者が10万人程登録しているのでB以上が5%、こんなもんだろう。


 冒険者連合の収入源は各国政府からの上級ダンジョンアタック(間引き、攻略)や研究素材の獲得依頼と国軍からのアイテム等の取得依頼、大手企業からの素材取得依頼がメインの収入源となる。魔石だけは各国の政府に販売となるがこれは儲けは殆ど無い。攻略後の上級ダンジョンコアもダンジョンのある国へ販売する事になる。


 シルフィーナ他冒険者連合の議員はしばらくは探索者協会理事長職と兼任でやり、冒険者連合が落ち着けば理事長職を辞任するみたいだ。


 俺はその頃冒険者連合に渡す為、ホテルでせっせと上級ポーションと解毒薬を調合する毎日を送っていた。


 そして今から1週間前、俺がシルフィーナの所へ出掛けている隙を狙いホテルに襲撃があった、海側から俺たちの宿泊しているスイートルームへ初級火魔法の火矢と中級火魔法の炎槍が複数放たれた。当然俺が襲撃を予想していない筈も無く、各部屋の出入口ドアに魔道結界盤の中級を、窓の側には魔道結界盤の上級を設置してあるから魔法は全て窓に届く前に弾かれた。


 この襲撃に即反応したのは蘭だ、すぐに俺に念話を送り俺は即部屋に転移した。そして5人の襲撃者が車に乗り込む姿を見つけ蘭と共に車の横に転移した途端に蘭が突然魔鉄扇で車を両断した。


 俺はあーあ蘭に火を付けちゃったなコイツらと思ったね、車に乗ってたのは襲撃者と運転手を含め7人だったが3人が真っ二つになっていて残り4人を蘭は車を追加で切断する事で引きずり出し、恐怖に震える4人の両手両足を淡々と切断した。ここまで蘭は一言も発していないし無表情だ、俺は怖かったね。


 切断した場所に蘭はポーションを掛けながら止血しつつ『目的は?誰の指示?仲間はどこ?』と聞いていった。少しでも口ごもると扇で耳を削ぎ鼻を削ぎ最後に首を刎ねた。それを見た残り3人はもうペラペラとよく喋ったよ。


 襲撃した奴らは資源省の子飼いの探索者達で過去に行った事が発覚し今は警察と探索者協会から指名手配されているらしい。俺に友人を殺され更にどん底まで落とされた仕返しに俺の恋人達を殺そうと計画したみたいだ。仲間があと5人いて連絡を待っているとの事だった。仲間に成功したとメールを送らせてから蘭は全員の首を刎ねた。俺は立ってるだけだった。


 蘭が聞き出した場所は新宿にあり、そこは俺が以前ゲートを設置した場所に近いのでゲートで行きある雑居ビルの地下のバーへと向かった。日中という事もありバーは閉まっていたが、中から5人の人の反応があった。5人の特徴を聞いていた蘭が突入しいきなり豪炎を放って室内を全て焼き払った、俺は焦ったね!上の階には人がいたしこのままじゃビルごと火災になると、俺はすぐに地下に向かって大津波を放ち消化に勤しんだ。


 蘭は冷たい表情でそれを見ていた。こういう時は蘭の気が済むまでやらせて俺は見守るのが最善だと知っているので消火後そっと蘭の肩を抱き人が集まる気配を背にホテルに戻った。


 落ち着いた蘭に聞いてみると蘭はその時いた凛と夏海を狙ったのが許せなかったそうだ、結界が防いだとかは関係無く狙われたなら元凶も含めて皆殺しにするのが凛と夏海を守るのに一番効果的な方法だと思ったからやったそうだ。凛と夏海は嬉しそうだったがそれは現場を見てないからだと思う。


 でもまあ俺を見て育ったからね、そうなるよね普通。あっちの世界ではそれが当たり前だからね、俺は育て方は間違ってない。俺のせいじゃ無いのにシルフィーナに呼ばれて今は微妙な時期だからしばらく横浜を離れたらどうですか?良いリゾート地があるんですよと笑ってない目で提案されたからバカンスに行く事にした。


 皆に話したらそりゃもう乗り気で早速全員で水着を買いに行った、俺も彼女達が試着する水着を見て早くリゾート地に行きたいと思ったもんだ。

 その日の夜は蘭が甘えて凄いので凛と夏海に言ってお風呂からベッドからずっと蘭と2人で愛し合い続けた。一度怒りに火が付くと夜も凄いんだよ蘭は、俺は久々に超精力剤を飲んだよ死にたくないからな。





 まあそんなこんなと色々あってここ沖縄の超豪華会員制リゾートホテルに来た訳さ、ここの最上階の部屋は家族用なのか高ランク探索者パーティ用なのか2ベッドルームにデッカイリビングと大きな浴室とプールに露天ジャグジーまであってさ、綺麗な海を一望できる最高の部屋にテンションアゲアゲな俺はしばらくここで夏を満喫しようと思ったね、まだ5月夏はこれからだしね!


「ダーリン、人に見られたら恥ずかしいからお尻触るのホテルに戻ってからにしてよ〜」


「海の中で隠れてそっとってのも男は興奮しちゃうんだよ」


「そういうものなの?なら少しだけよ?それ以上はホテルでね?」


「ああ、ありがとう。ほんといつ触っても触り心地いいよなこのプニプニのお尻」


「あんっ!中は……んっ……あ……指は入れちゃ…立ってやれなくなるよ…お、お姉ちゃんが見てる」


「ここも柔らかいなぁ、次は夏海にもしてあげるね」


「え?…はい待ってます…」


 俺は胸まで浸かる浅瀬で、ここのところ女の子の日でご無沙汰だった凛のお尻を揉みしだき、ちょっと水着の中に手を入れてイタズラしたり、恥ずかしいがる素振りを見せつつ期待する目をしている夏海のお尻も触って、硬そうなのになぜか柔らかい上向きのお尻を揉みしだいたり、ホテルに戻ってシャワー浴びてる2人に我慢できず襲い掛かったり。


 もう一生この生活のままでいいなと、そんな幸せな気分でバカンスを楽しんでいた。


 色々あったけど、凛と夏海と出会えたことがこの世界に来てからの最大の収穫だな。


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