第17話:新年会と栞の告白1

** 2008年1月8日にNPO橫浜国際救助隊の新年会を役員の陳康男の

実家、MC飯店の大広間を午後3時から2時間貸切り行う事にした。

 参加総数26名で始まり、まず会長の平田浩一が昨年の初めての新潟県

中越沖地震でのボランティア活動をしたが、その反省点として早期に

ボランティ活動の企画を決めて動くことを今年の行動目標にしたいと言い、

2年目にして学生メンバーが20人以上あつまり、大変心強く思っている

と話した。続いて新規参加された15名の方の自己紹介を1人3分で

お願いしたいと言い会が始まった。


 平田浩一、山下健一が多くのメンバーに新年の挨拶をして回り30分程

して席に戻ると、斉藤栞、泉谷茂雄が山下の席の横に来て親しく話をし、

泉谷が席を離れると突然、斉藤栞が山下の耳元で小さな声で新年会の後、

ちょっと話がしたいのでホテルニューグランドの入り口で5時半に

待ち合わせたいというので了解した。


 その後、多くの人と歓談し、ゆっくり座ってる時間がなく、あっと

いう間に5時10分になり、山下健一が新年会が終了し、何人かに

2次会のお誘いを受けたが、ちょっと用事があるからと断り、

ゆっくりと山下公園の方へ歩いて行き、潮風にあたり、酔いを覚まし

てると5時半が近づき、ホテルニューグランドへ行くと、突然、

柱の陰に隠れていた斉藤栞が現れると、あまり驚かすなよと山下が

言うと、にこっと笑って、食事しながら話を聞いてと言うので、

つき合うことにした。


 最初に珈琲をもらって、まず、話を聞くと、彼女、今年4月で

4年生になり、来年卒業と話し、その後、ある人と婚約して欲しい

と父に言われたというのだ、最初は、とり会わなかったが、どうも

国会議員のおじさんからの話らしいと言うことがわかり良く聞いてみる

と早稲田大学を3年前に卒業した、ある有力代議士の息子が早稲田の

弁論部を出て、将来、国会議員をめざすために議員秘書として仕事を

始めたという、そこで、しっかりと仕事をしてもらいたいので、それなに

の伴侶を早く持った方が良いと言うことになり斉藤栞に白羽の矢が立った

という訳らしい、彼女も弁舌がたち、その有力代議士が小さいときから

知っていたので是非、息子の嫁さんに欲しいと言う。


 もちろん付き合っても、いないので彼の事は良く知らないが小さい頃の

印象としては、口が達者なだけで、迫力も行動力も欠ける感じで、斉藤栞

も特に印象に残ることもなかった。つまり、どちらかというと小生意気な

感じで決して好きなタイプじゃないと言った。そして、学生時代も橫浜市大

ではこれと言った、ボーイフレンドもいなかったが、NPO橫浜国際救助隊

に入り、山下健一さんと平田浩一さんが素敵な人だなと思ったが、先日の

飲み会の時の話を聞いて、山下健一さんが大好きにり、付き合って欲しい

と直接、言ってきた。斉藤栞が今、彼女とか付き合っている人はいるんです

かと聞いてきたので特にいないと答え、不動産の営業と平田さんとの付き合い

で、私の人生の時間は、ほぼ費やしたので、そんな暇はなく今年40歳に

なると答えると、ちょうど良かった。結婚を前提に付き合って下さいと言う

のには、驚いて付き合うのは良いけれど隠れ蓑に使う事だけは嫌だよと言うと

、女って、そんなに器用じゃないのよ、好きじゃなければ、こんな事って

絶対に言えないものよと言った。


 山下が、そんなもんですかと聞くと、そんなもんですと言い、私の彼氏

になってくれると考えて良いんですねと迫ってきたので、何か、脅かされて

るみたいですねと言うと2人で大笑いしながら、彼女が私って

いつもこうなのと笑いながら言った。

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