第15話:山下と斉藤栞との舌戦1
次に、平田泰三の息子さんの平田浩一さんが大学に進学することを選ばず
、投資という戦いの世界で成り上がった来た姿を見て、これこそが自分の
めざしていた、でかい仕事をしたいと言う漠然とした夢なのかも知れない
と気づいて、どんどん、彼の行動に引き込まれ、投資も大きなリスクに挑戦
して、幸いにも大成功し、財をなした。これが原因で退社したと話すと、
泉谷茂雄と山澤猛はなるほどねと感心したが、斉藤栞さんが、そんなの
おかしい、ただ金儲けができて、辛い仕事が馬鹿らしくなっただけじゃない
ですかと辛辣なことを言った。
山下健一が、私の話を、どう取ろうと、それは個人の自由だから構わないが、
この話は自分の実体験を率直に述べただけだと話した。その後も、斉藤栞さんは、
酒が入っているせいか、赤い顔をして、興奮したように、私だったら絶対に
三菱地所の橫浜営業所でトップの営業成績を取るまで挑戦し続けるし、
そうすべきだと言い、男のくせに途中で目標を投げ出すのは、おかしいと迄、
言ったのには、さすがの泉谷茂雄と山澤猛も、それは言い過ぎだよ、
山下先輩には先輩の考えて行動したんだから良いじゃないかと、斉藤栞さんを
なだめたが、どうも、納得できない様子だった。
それも見ていた、山下が、斉藤栞さんに、あなたは女性だが、昔の自分を
見てるようだと言い、学校卒業して、不動産売買の神様、平田泰三と仲良く
なって、入社して半年で平田泰三さんと2人で三井信託銀行・橫浜支店に
乗り込んで、橫浜・湾岸の高級マンションを三井信託銀行の富裕層に一緒に
なって売っていきましょうと会議で熱く説明した頃の自分にそっくりだと、
懐かしがった。その話を聞いて入社1年目で三井信託銀行・橫浜支店に
殴り込みをかけたんですか、それは豪気だと泉谷茂雄と山澤猛が笑った。
斉藤栞さんが、私も、そう言う事してみたいなと宙を眺めて、ぽつりと
言った。すると山下がNPOの世界で熱き戦いは、いくらでもあるから
頑張ってねと言い、期待しているからと肩をたたくと機嫌を直したようで
笑顔になった。
その後、もう1件、飲みながらジャズを聴きたいわと斉藤栞さんがいうので
泉谷茂雄と山澤猛も連れて、ウインドジャマーというジャズバーに言って、
ハイボール、カクテル、ブランデーを飲むと、今度は斉藤栞さんが上機嫌に
なって、良い雰囲気ねと言って、ハイボールを何回もおかわりして、酔って、
山下がブランデーを飲んでると、良い香りねといい、ちょっと頂戴と山下の
グラスのブランデーグラスを取って香りをかぐと、あー良い臭いと言って
口に入れると、急に変な顔になって急いで水を飲んだ、わー濃い、きつい
酒ねと驚いた様に言った。
そのうち泉谷茂雄が、山下に彼女、東京、田園調布の良い所のお嬢さんで
、彼女のおじさんが会社をいくつも経営して東京都議会銀を経て現在、
国家議員をして、その良い情報を利用してお父さんが大儲けしたらしく、
そういうのが嫌いで正義漢の強い子に育ったらしいと教えてくれた。
橫浜市大商学部でも優秀な成績で弁論部に在籍して、演説が迫力があると
有名で、橫浜市大のジャンヌダルクという、あだ名がついてるくらいですと
教えてくれた。それを聞いて、山下は、それで、さっきの様な発言をする
わけだと頷いた。
山下がでも、彼女が強がってるのと反比例して可愛くて、よく見ると、意外に
美人じゃないかと笑いながら言うと、そうなんです、橫浜市大でも、ラブレター
も多くもらうようですが、それを女の子の見てる前で、破って捨てるようですと
教えてくれた。そうして、12時過ぎたので、帰ろうというと、斉藤栞さんは、
完全に出来上がって、ふらついているので、山下が精算して、外に出ると、
泉谷茂雄と山澤猛が酔い覚ましにアパートまで30分位なので歩いて帰りますと、
お礼を言って帰っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます