第3話:宅建を取得し三菱地所へ
すると、まず、三菱地所の本社ビルへ行き、受付の女性に入社試験を受けたいと言い、平田泰三さんの名刺を渡すと驚いたように電話をかけた。その後、それでは、と言い人事部に連れて行ってくれた。人事部の佐島太郎さんが会ってくれ、平田泰三さんって、あの伝説の不動産ブローカーの平田さんか、どんな関係と聞かれ、父の友人だと言い、お父さんは、どんな仕事をしているのか聞かれ横浜家具の山下家具の社長と言い、その長男と言うと、また驚いた。
健一が、宅建の免許は取りましたので見せましょうかというと結構ですと答えた。ちょっと待ってと言い、また電話をかけた、数分後、安田人事部長が来られて、君か平田泰三さんの紹介の山下健一君はと言い、良い身体してるがスポーツは何をやっていたと聞くので柔道ですと答えると、体力はありそうだ。なんで山下家具を継がないのかと聞くので、私は不器用で、橫浜家具職人よりも、でかい商売がしたいと思ってますというと、笑いながらでかい商売かと、大笑いした。確かに、平田さんはでかい商売をして伝説の不動産ブローカーになったと言い、その弟子という訳かと、また笑った。
豪気だね、神奈川県高校総体、柔道の部で個人戦3位の賞状を見せると、すごいね。その後、昔から元町近くに住んでいたので華僑や外国人の子供と遊んでいたので中国語と英語は、日常会話程度なら出来ますと言った。これから、入社試験で忙しくなるから、相手してる時間とれないし、困ったと言いながら、まー、平田泰三さんの顔に免じて、採用しようと言ってくれた。しかし、採用がゴールじゃないから実績を上げなければ辞めてもらうことになる事は、肝に命じておくようにと言われた。もちろんです。私もデカい商売をして、大金を手に入れたいので頑張りますと言うと、笑いながら、目標をもって是非頑張って欲しいねと、肩をたたいてくれた。
席を立って、忙しいので、担当の者に、細かい説明をしておくようにと指示して、急ぎ足で部屋を出て行った。人事担当の山口さんが、来週月曜から朝9時から仕事開始なので8時半過ぎには出社するように言われた。大きな声で、ありがとうございますと言うと、驚いたように、もっと小さな声で良いと、笑った。そして部屋を出て、受付のお嬢さんに、お陰様で合格しましたというと、キョトンとした顔をしてこちらを見て良かったですねと言ってくれた。自宅に帰り、父に、三菱地所の不動産会社に合格したと報告すると、お前の実力じゃなく平田泰三さんの、お陰で入社しただけだ、彼に顔に泥を塗らないように、業績を上げろよと活を入れられた。
母は、おめでとうと言ってくれ、喜んで暮れた。明日、早速、スーツを3着とカバン、革靴など、必要なものを買いに行かなくちゃねと言った。翌日、横浜そごうへ行き、必要なものを揃えて、昼食をとって、自分の思った通りに頑張りなさいと、母が、言ってくれジーンと来たが、涙をこらえた。そして入社当日の月曜日を迎えた。
緊張しながら、会社に出かけ、人事部に行くと、販売1課に行ってくれと言われ、8時40分に来ると、既に、吉山俊彦課長が来ていた。君か、伝説の不動産ブローカー平田泰三の名刺を持って来たって奴はと言い、顔を食い入るように見つめた。その後、破顔一笑して、まーそう、堅くなるな、セールスは売ってナンボだから、頑張れよと肩をたたいた。今日は、課のメンバーに君を紹介してから、覚えて欲しい事を書いておいたから、早いうちに、覚えて欲しいと言い、今日の仕事はそれだけだと、言った。やがて、課のメンバーが続々と入ってきた。9時になり、吉山課長が、今日、入社してきた山下健一君だと紹介してくれた。柔道が強いので、絶対に喧嘩はするなと言うと大笑いとなった。
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