他の哲学者の考察

 前述の通り僕自身は哲学書を読まないが、関連しそうな哲学として、反出生主義を紹介しておく。反出生主義は子孫を残すべきではないという立場をとる思想であり、個人の生存ではなく子孫を残すことについて述べたものだが、生存に否定的な部分を多く含むので参考にはなると思う。ミームとして考えた時に増殖しにくいので多分これからも普及はしないが、最近インドで盛り上がっているらしい。ちなみに僕も「治療の倫理」で触れたような合意の形成や「生存は賭博に似る」で触れた博打的な要素などの理由からこの立場を取っている。


 有名人を出すのは「権威に訴える論証」であり正しさを保証するものではないが、反出生主義を擁護する哲学者にはショーペンハウアーやシオランが挙げられる。


 ショーペンハウアーは思想家としてはかなり有名どころで、「自殺について」という書も残している。ニーチェが哲学を始めたのもショーペンハウアーの影響らしい。ニーチェ自身は途中でショーペンハウアーの思想から離れ、最終的にすごい自画自賛の自伝を書いて狂死したらしいが。


 シオランは知名度で言えば流石にショーペンハウアーほどではないし、著作の日本語訳が文庫化されていなくて若干高かったりはする。しかし堅苦しさはあまり無いし、著作が悲観主義的なものに偏っているので、Twitterで彼のbotをフォローすると大仰な言葉で分かりやすく悲観的なことを呟いてくれるので面白い。

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これは鬱か価値観か哲学か @akira404

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