第2話

経過観察で入院してから一週間後に、突如意識を再び失った。

今回はこれまでと何かが違った。

急激に心拍数と血圧が急降下し、瞬く間に昏睡状態に陥った。

時間にして、僅か数分の出来事である。

これがいわゆる「容態の急変」。


最善の処置を施されたが、残念ながら意識が戻ることは無く、その場に居合わせた医師により死亡が確認された。


死亡してから、数日後にお通夜・告別式が行われ親族や友人などが駆けつけてくれた。

「みんなに、迷惑を掛けて申し訳ねえ…。恩返しが出来ないのが、本当に悔しい。」

「父さんより、先に逝くなよな~!って約束したじゃないか。忘れたのかよぉ~。寂しくなっちゃったよ。でも、今までありがとう!」

父親から、一言を頂いた。結婚していなかったので、孫の顔を父親に見せることは残念ながら出来なかった。

男手一つで育ててくれたお父さんありがとう。

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あの日、僕は死んだ @noritaka1103

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