第12話 決戦

「今日集まってくれたのは他でもない。君達に話したいことがあるんだ。」

ドメイクさんが魔法少女達を召集して話をしていた。

「単刀直入に言おう。辛い話だが…フードの少年が黒幕だ。」

「えっ…?」

フードの少年が黒幕?そんなはず無いよ…

「フードの少年は君達にマジックダイヤを託して人間観察を行っていた。曰く君達は彼にとっての「教科書」だったそうだ。」

「そんな…そんなはずありませんよ!だって…彼は私を助けてくれたりしたし……」

「残念だが、それも彼の計画の内だ。」

「なっ……」

ドメイクさんの言葉を聞いて皆落ち込んでいる。それもそう…だって皆人々を守るために戦っていたのだから…

「彼の正体は人型魔獣ノイド…彼の真の目的は「人を越える人になる」だそうだ。」

人型魔獣!?魔獣の中に人型が…?しかもそれがフードの少年だなんて…!

「俺達はこれから奴を討ちに行く。賛同するかしないかは君達次第だ。好きに決めていい。」

「私は行きます!」

「英里華ちゃん!?」

「だって…やっぱり自分で確かめないといけない…もし話が本当なら皆のために討たなきゃならない。それに、ドメイクさんの恩返しもしたいですし!」

今まで助けてもらった恩をここで返す時が来た。

「なら私も行く!」

「私も。」

「私もデス!」

ぞろぞろと賛同する声が出ていき、行かない者は一人もいなくなった。

「協力、感謝する!もう時間は無い。これからノイドを討ちに行くぞ!」

「「「おぉー!!」」」


ー大通りー


ガキィン!!ギチ…ギチ…

「お前人型の癖に体固いのか…!」

「一応これでも魔獣だからねぇ!!」

ガチン!!

「ちっ…これじゃキリがないな。」

『あらゆる武器が通じない…やはりここは人手が必要ですね。』

「ラルス!!」

見ると一人の男性が人型の化け物と既に戦っている。あれがドメイクさんの仲間…?

「ドメイク!連れて来たのか!?」

「あぁ、賛同しない者はいなかった。彼女達の協力に感謝しよう。」

「皆ありがとう。俺はラルス・マーセル。こいつと同じ世界を越える能力を持っている。」

ラルスさんは戦闘の合間に自己紹介を挟んだ。大丈夫なのかな…?

「おいフードの野郎!いやノイド!一時休戦だ!」

「一時休戦…まぁいいや。ボクも少し休みたいと思ってたところさ。」

フードの少年と思わしき魔獣は一時休戦を挟むほどの余裕を見せているようだ。

「まぁ口調とか分かる通り、あれがフードの野郎の正体だ。あんな化け物だがな。」

口調を見る限りはフードの少年のまんまだ。だが背中に白い羽が生え、全身に渡って白く爛れた姿は魔獣そのものだった。

「そして俺達はこの世界の人間じゃない。俺達は次元が違う他の世界から来たんだ。」

「もしかしてこのことを止めに私達の世界へ…?」

「そうだ。俺達は「異変」というものを他の世界でも止めている。」

異変…ドメイクさんが「まだ話すべきじゃない」と言っていたのはこういうことだったんだ…

「後、説明しなきゃならないのが…」

シュン…

「あっ!武器が女の人に!」

「私は武器人間のクロウです。以後、よろしくお願いします。」

「まぁこいつは人間と武器の姿を切り替えられる種族でな。俺に仕えているんだ。少し固い奴だが…悪い奴じゃない。」

そう言うとクロウさんを武器に戻してノイドの方へと向き直る。

「やっと長ったらしい説明が終わったぜ…じゃ、戦闘再開と行くか。」

「ボクにとってはかなり休めたからありがたいんだけどねー」

よし、私達も戦おう!」

「ダイヤブレイク!!」

ガチャン!

「「「ダイヤブレイク!!」」」

ガチャン!

一斉に魔法少女に変身して、戦闘体勢に入る。

「さぁ、これが最後の戦いだ…!」




「レイヴ!あれは!?」

「魔法少女達と…あの方達は…」

「何か誰かに似てない?」

「確かに誰かに似てるような…」

「でも今はそんなこと言ってられないよ!早く助けに行かなくちゃ!」




「流石にボクもこれだけの人手じゃ部が悪い。ボクも人手を呼ぶか。」

パチッ!ギュゥゥゥン…

「ブモォォォォォ!!!」

「ブルルゥ!!」

「キシャァァァァァ!!!」

謎の空間から魔獣が!?

「そうか…この世界に魔獣を大量に送りつけていたのはあんただったんだな。」

「フフ…やっぱ人ってバカだね。こんなことにも気づけないなんて。さぁ行けっ!!」

ガチン!!ガンッ!!

「私達のことは良いから!早くあの魔獣を追って!」

空間から出た魔獣は先輩達が食い止めてくれている…私はノイドを追わなきゃ!

「行こう!英里華ちゃん!」

「うん!薫ちゃん!」



「ラルスさん!」

「天野!?皆は大丈夫なのか!?」

「先輩達が食い止めてくれています!私と薫ちゃんは一緒に戦います!」

ノイドは体全体から禍々しいオーラを放ち、威圧している。

「君達は良くやってくれたよ。そのおかげでボクは人間というものかどういうのか学べたんだからさ!!」

「多くの人を犠牲にして…今更何を!!」

バッ!!

ガァン!!

「な、何て力…!?」

「一応これでも魔獣だからね!筋力は人より数十倍かな!?」

薙刀が折れそう…!マリルさんの時とかとは違う…!

「英里華ちゃんを放せー!」

パキパキ…ガキィン!!

「あぁ…!?」

クリスタルの剣が折れた!?背中の強度はどうなってるの!?

「うーん?ちょっと痒いなぁ。」

ドスッ!!

「うっ!?」

「薫ちゃん!!」

「やっぱ確実にトドメ刺すには気絶させてからが一番だよね。」

ダメ…薫ちゃんだけは…!!

「クロウ!行くぞ!」

「はい!」

スッ…

「うぉらぁ!!」

「ハッ!!」

ドゴォ!!

ラルスさんとクロウさんが同時に蹴りを放つが、びくともしない!

「邪魔くさいねぇ。」

そうだ!オールエナジーダイヤなら…!

『オールエナジーブレーイク!!』

シュン…!

『アクアスタイル!!』

ビシィ!!

「あぁ…オールエナジーか。」

強力なはずのオールエナジーの攻撃も効かない!?

「はぁ…これだから今の人間はバカなんだよ。そのオールエナジーを作ったのはボクだろ?製作者に効かないように作ってあるに決まってるじゃん。」

「そんな!?」

「全く…トドメ刺すの邪魔しないでよ。」

もうダメ…!どうすれば…!




「誰か」……助けて!!




「じゃあねっ!!」

ガキィン!!

「……!?」

ポニーテールの女の子が中に入って助けてくれた…!

「お前、一体誰だ!?」

「そっちこそ誰…ってお父さん!?」

「お父さんっ!?」

「何だって!?」

続く。



次回予告

「お前もしかして…セリドか!?」

「そうだよ!お父さん!」


「親子の再会には拍手を送ろう!でもすぐに引き裂くけど。」

「舐めんなよ…!親子ってやつを!」


「こんなに大きくなって…立派に成長したな…」

次回「魔法少女の世界」


「次は、私達の番だね。レイヴ。」


次回、最終回!!


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