第11話 掴む真実


ー路地裏ー


「あら、あの時の二人組。」

「勝負よ!勝負!」

「勝負して私達が勝ったら…」

「魔法少女狩りをやめる。でしょ?」

「そ、そう!」

私と薫ちゃんはあの時散々やられた日野佳さんにリベンジしようとしていた。もうこれ以上、被害者を出さないために…

「何?今度は自分達から来るなんて…珍しいじゃない。」

「あの時のリベンジしに来たからね!」

「良いわ。そんなにやりたいならやりましょう。」

お互いにマジックダイヤを取り出し、魔法少女に変身する。

「ダイヤブレイク!」

「ダイヤブレイク。」

『ブレイズ…!!』

『クリスタル…!!』

『サン…!!』

「今日の日射しは…まぁまぁね。」

今日の天気は曇りが多めの晴れだった。雲が見え隠れするこの時間に決着をつける!

ブゥン!!

「はぁ!」

パキパキ…!

「耐え抜いた…?」

薫ちゃんが素早くクリスタルの壁を生成したおかげで助かった!

「今だよ!」

「オッケー!」

パキパキ…ボシュウ!!

「ハッ!!」

「せやっ!!」

ドゴォ!!

「ぐっ……!?」

クリスタルで固めた足、炎を纏った二人の蹴りが腹に直撃した。これで幾分か大ダメージは与えられた…!

「何てコンビネーション…!?」

「特訓の成果を舐めないで!」

「これは…全力でいかなきゃやられるね。」

ゴゴゴゴ…

「ハァァァ!!!」

ズトンッ!!!

体から赤色のオーラを放つ相手の姿は正しく本気を出したにふさわしい姿だった。

「今度は、生半可じゃいかない。」

「英里華ちゃん…私達ならいけるよね…!」

「うん…二人なら…倒せる!」

ガチャン…ガキィン!!

「ぐっ…!」

本気なだけあって何て力…!?これじゃ押し潰されそう…!

「英里華ちゃん!下を!」

「分かった!」

スルッ…

大剣下との間をすり抜け、相手の後ろを取る。

「何っ!?」

「トドメ、いくよ!」

「うん!」

パキパキ…!

ボシュウ!!

「せいやぁーーー!!」

ドゴォ!!!

「ぐはっ!…」

太陽があまり出ていないということもあったが、まさかこんなにあっさりとは…水本先輩の特訓凄いや…

「やった…倒したんだ!」

「これも先輩の特訓のおかげだね!」

「特訓…いやあなた達のコンビネーションの賜物よ。」

「お願いです…日野佳さん、魔法少女狩りはやめてください…」

「分かっている…約束だから…」

話は着いた。もうこれで魔法少女達は襲われない…!


ービル屋上ー


「………!」

「よっ、魔法少女達の救世主さん。」

俺達は奴の居場所を突き止め、話をしに来たのだった。

「君達は?」

「俺達は他の世界から来た人間だ。それ以上でもそれ以下でもない。」

「他の世界からか…面白いね。」

「お前に聞きたいことがあってな。単刀直入に聞こう。」



「お前、この世界で何を企んでる?」



「…!?」

「お前の作ったマジックダイヤ、解析したところ…この世界の技術…もはや人間じゃ出来ない技術だ。これお前が作ったんならお前は人間じゃないってことで良いんだよな?」

「人間じゃなかったら…どうなんだ…?ボクは魔法少女達の助けをしているだけさ。」

俺は奴の胸ぐらを掴んで言った。

「じゃあこれほどの技術を持った開発者が何故魔獣と戦えない!?ここで魔法少女達を呆然と見ているだけで助けてるだと!?ふざけんなッ!!」

「…………」

「んじゃ、洗いざらい吐いてもらおうか。フードの少年さんよ…!!」



「ハハ…もう少し人の行く末が見たかったんだけどなぁー…」



「へっ…本性現しやがったな…!」

「君の言う通り、ボクは人間じゃない。いや…正確には「人の形をした化け物」かな?」

スッ…

奴はフードを脱ぎ、闇に閉ざされていたその顔を俺達に見せた…

「ラルス様…!これは…!」

「間違いない、奴の言ってることが本当なら奴は……」



「『人型の魔獣』だ!!」



「クッ…フフフ…勘が良いね、外の世界の人間…」

奴の顔は確かに人間の顔はしているが、全体に渡って白く爛れた化け物そのものだった。

「そりゃどうも。俺達はこういうの専門家なんでね。」

「教えるよ。ボクは人型魔獣の「ノイド」…ボクは人を越えて、新たなる「人」となる…!」

「魔法少女達は観察用の実験台とでも言うつもりか…!」

「彼女達は大いに働いてくれたよ。ボクの「教科書」としてね!」

「もうお前とゴタゴタ話してる暇はねぇ。今ここで始末する!」

シュン…

「消えた!?」

「決着はまたの機会に…今の君達だけではボクに敵わないさ。フフフ…」

瞬間移動…というよりかは高速移動で逃げられたか…

「ちっ…追うか…」

「これは魔法少女達の協力が必要になりそうですね…」

「ドメイク、頼めるか?俺とクロウは奴を追う。」

「分かった。魔法少女達には俺から話そう。」

続く。



次回予告

「辛い話だが…フードの少年が黒幕だ。」

「そんな…」


「君達は良くやってくれたよ。そのおかげでボクは人間というのがどういうものか学べたんだからさ!!」

「多くの人を犠牲にして…今更何を!!」


「これが最後の戦いだ…!」

次回「決戦」


「お、お前一体誰だ!?」

「そっちこそ誰…ってお父さん!?」



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