第10話 交錯する運命
ー登校中ー
「天野。」
後ろから聞き覚えのある声がした。
「ドメイクさん!」
「ちょっと君に聞きたいことがあってな。」
「何ですか?」
「率直に聞こう。君にマジックダイヤを渡したのは誰だ?」
渡した人…あのフードの少年のことかな?
「フードを被った少年からですが…?多分皆彼から貰ったと思います…」
「フードの少年か…分かった。情報提供感謝する。登校中に邪魔してすまないな。」
「あ、いえ…大丈夫ですよ。」
「では、また。」
ドメイクさんはいつものように歩いていってしまった。フードの少年のこと聞いて何をするんだろう…?
ー学校、屋上ー
「さぁ、かかって来なさい。」
「練習お願いします!先輩!」
今日は薫ちゃんの特訓にチーム全員で付き合っていた。特訓として、水本先輩に全力でかかることが薫ちゃんの練習内容だった。
「ダイヤブレイク。」
『アクア…!!』
『クリスタル…!!』
「どんな敵にも対応する能力が戦いにおいて必要なことよ。」
「はい!先輩…」
ビシィ!!
「話を待ってくれる敵はいないわ。今みたいにね。」
流石は水本先輩…特訓にも抜かりがない…!
「では私に一回触れればオッケーにしましょう。」
「分かりました!」
パキパキ…ガシャアン!!
「クリスタルで作られた剣…強度は如何なものかしら。」
ビシィ!!
「ぐっ!」
先輩の鞭攻撃を剣で防御しているが、クリスタルの強度は持ちそうにない。
ガシャアン!
「あぁ!?壊れた!?」
シャキン!バッ!
「嘆いている暇は無いわ。早く次のクリスタルを生成しなさい。」
「は、はいっ!」
パキパキ……
「今日のさっちゃん何か厳しいねー」
「それだけ佐藤さんの能力に期待があるということでしょう。」
確かに今日の先輩はいつも以上に厳しい態度…でもクリスタルダイヤの能力はかなり強力だから特訓すればさらに良くなるものだからなぁ…
ビシィ!!パキィン!!
「やっぱり先輩は強いですね…!」
「経験の差よ。はい、防御を張る!」
「はいっ!」
ー数十分後ー
「お疲れさま。今日はこれで終わりよ。」
「はぁ…凄い疲れました…」
かなりの時間魔法少女姿なら相当キツいよね…
「じゃあ、一緒に帰ろっか。」
「うん…ありがとう英里華ちゃん。」
「よぉ、ドメイク。やっと合流か。」
「色々と聞いて回ってたもんでな。遅くなってしまった。」
俺はドメイクから得た情報を整理した。
「つまり…この世界の魔法少女は皆あの「フードの少年」とかいう奴にマジックダイヤを渡されたってことか?」
「そういうことだ。後、マジックダイヤを解析した結果だが、やはり人間では不可能なものだ。」
「なるほどな。んじゃ、俺らがやることは1つだけだな…」
「敵陣へ乗り込むのですね…?ラルス様。」
ここまで来たからにはもう退けない。後は奴をとっちめるだけだ。
「よし、これから奴の居場所を突き止める!行くぞ、お前ら!」
「はい。」
「やるぞ!」
ービル屋上ー
「ここが魔法少女の世界…?」
「そのようでございます。セリド様。」
「やっぱりこの世界…何か裏を感じる…」
「私も感じます。何か大きな陰謀がうごめくような何かを…」
「早く異変を済ませて、お母さんの作るアップルパイでも食べようよ。」
「はい。私もカトラ様のアップルパイを頂きたいです。」
「よし…さぁ、行こう!レイヴ!」
「承知致しました。」
続く。
次回予告
「今度は自分達から来るなんて…珍しいじゃない。」
「リベンジしに来たからね!」
「何てコンビネーション…!?」
「特訓の成果を舐めないで!」
「それじゃ、洗いざらい吐いてもらおうか。フードの少年さんよ。」
次回「掴む真実」
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