第6話 音と拳の交響曲


ー学校ー


「私のクラスに転校生…!?」

「しかも外国のの方らしいですよ。」

今日は朝から外国の転校生が来るという話題でクラスは持ちきりだった。

「外国から転校生って一体どんな子なんだろ…」


ー数分後ー


「私、中国から来たリー・チェンと申しマス!」

中国から!?というか凄い美人で可愛い…私と同い年には見えないや…

「皆さん、これからよろしくお願いしマス!」

あーこれ男子釘付けだ…中国人なんてここらじゃ早々に見かけないからなぁ。

「……!?」

ん?何か桜ちゃんの様子がおかしい…

「どうかしたの?」

「何か…彼女から同じ魔法少女の感覚が…」

「魔法少女の感覚…?」

感覚とか言われても私、全然感じない…

「リーさんから魔法少女の感覚を感じます。これはもしかすると…」

「リーちゃんが魔法少女?もしそうだったら凄いよ。」

「あくまで私の勘ですが、これは少し様子を見る必要があるかもしれませんね…」

私もその内感覚とかに目覚めるのかなぁ。桜ちゃんが繊細だから感覚とか分かるんだろうけど…


ーその夜ー


「大通りで魔獣が出現との情報が入りました。行きましょう。」

「うん!」

私達はいつも通り魔獣を倒しに行こうとした時、どこかで見覚えのある人影を見たような気がした。


「……現れましたネ…」


ー大通りー


「ダイヤブレイク!!」

『ブレイズ…!!』

『ミスト…!!』

ガキンッ!!

「すみません!少し遅れてしまいました!」

「いや、こっちは大丈夫よ。」

今回の魔獣はカエル型…まさかとは思ったけど少し気持ちが悪い…

「ゲココ……」

「天野さん、お得意の火は出来る?」

「出来ます!」

ボウッ。

私は能力を使って自分の足に炎を纏わせて、強烈な蹴りを放つ。

「はぁ!!」

バキッ!!

「ゲココン……」

「へっ?」

蹴りが、効いてない!?腹に直撃したはずなのに!?

「体が柔らかすぎて打撃が吸収されてしまっている…?」

「なら斬れば…」

「ダメよ。私達が何度も斬っても同じ結果。柔らかくて刃が受け流されてしまうの。」

むむ…あんなにどっぷりとしたお腹なのに攻撃が通らないなんて!

「じゃあどうすれば…」


「私に任せてくだサイ。」


声の方を向くとリーちゃんがいた。やっぱり桜ちゃんの言ってたことは…!?

ガチャン!

「ダイヤブレイク。」

『ダイヤブレーイク!!コーラス…!!』

中国人らしく中華風の服装に身を包んだリーちゃんを前にして、私達はポカンとしていた。

「行きますヨ。」

「待ってリーちゃん!あの魔獣の体は柔らかすぎて…」

「なら…衝撃が届くまで殴ればいいコト!!」

『コーラスマッシャー!!』

あの腕に着いている装置みたいなのは一体…?もしかしてあれが魔法少女としての装備?

「まずは殴ル!!ひたすら殴ル!!」

『ビート!!レディ・ゴー!!』

「アタタタタタタタ!!」

ドガガガガガガ!!!

素手で高速のパンチを繰り出している!?あの腕の装置で高速化しているの…!?

「ゲロッ…」

「丁度良くなってきましたネ。では次ニ…」

『シンフォニー!!レディ・ゴー!!』

ズドンッ!!!

「ホアタッ!!アッチャー!!」

今度は動きが鈍くなった代わりに一撃が重くなった…!?さっきの高速化した攻撃とは段違いだ…!

「ゲコン……」

「トドメ、行きますヨ。」

『オールコーラス!!リミット・ゴー!!』

「ホアチャーーー!!!」

必殺技らしき音声と共に彼女は飛び上がり、そのまま強烈な急降下キックを魔獣に浴びせた。

ズドォォォォン!!

パンッ、

「謝謝(ありがとう)。」

き、決まった…というかそんなことよりもお礼を言わなくちゃ。

「あの、助けてくれてありがとうリーちゃん。」

「イエイエ!魔法少女は助け合いデスよ!」

「にしても凄かったよ今の。凄いかっこよかったし…」

「私にとって、音と拳…これ即ち「最強」なのデスよ!!」

「そ、そうなんだ…」

何か謎理論を言われた気もするが、今回のところはこれで終わりだね。


ー路地裏ー


「はぁーあ、最近の魔法少女はどれも雑魚でつまらないなぁ。」

コツ…コツ…

「んじゃ、久々にあの「天野英里華」とかいう魔法少女でも潰すか。」

続く。



次回予告

「天野英里華、決闘を申し込む。」

「決闘…!?」


「お互い大事な物を賭けて私と勝負。勝てば私は魔法少女狩りをやめる。」

「私が負けたら魔法少女をやめる…」


「あなたの力を見せて!!全力を私に!!」

次回「アイアン・ジャッジ」


「私、全力で戦えました……か…」

「天野さん!!!しっかりして!!!」

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