第6話
「拓也くん、よく、そんな重たい話を、私に話してくれたわね…」
「先生なら、信用できると思ったんです。それに…うまく言えないんですが、僕と似た空気を感じるんです。」
初めて授業で目にした時から、どきどきすると同時に、懐かしい感じがする人だった。
容姿がストレートに僕の好みだったのもあるけれど、それ以上の中かを持っているのではないか、と思わされる。
だから、この人なら、信用できると思えたのだ。
「ところで、耳元で囁いた声の主は、その後貴方の前に姿を現したのかしら…」
僕の中の事実で言えば、答えは、「はい」だ。だけれども、その話は、あまりにも奇想天外すぎて、先生に信じて貰えるだろうか、という話だ。
「私の推測だけれども、その主は、『人ではない何か』だったのではないかしら。」
先生の推測は当たっている。
「信じ難い話かもしれませんが、父親の死の直後、半透明の姿を現しました。それは、『死神』でした。つまり…」
その死神は、僕の父親への憎悪の念に感応して現れた、と言っていた。
人の命を奪うことができるが、その代償として、使役した者に何らかの対価を払う必要がある、らしい。
僕の父親を殺した時は、僕の寿命一年分を対価として貰ったという話であった。
その他対価としては、お金、高級牛、ブランド品、貴金属や宝石類、車や住居など、人が価値を感じるものであれば対価として支払えるらしい。
また、自分から勝手に人の命を奪う事はなく、必ず使役する者の命令がなければ行動する事は無いという話だった。
それらの一部始終を、先生に話した。
「貴方もだったのね…」
突拍子も無い話を、先生は黙って聞いていたが一言を相槌を打ったあと、先生は指を鳴らした。
すると、先生の後頭部の辺りから、半透明の白い狐がぬっと現れた。
「この子が見えるかしら。」
驚いたが、僕の『死神』よりはかなり愛くるしい姿をしていている。
「この『守護精霊』が見えて、扱える人を、サモン・チルドレンというの。貴方も、私も、サモン・チルドレンなの。」
サモン・チルドレン?守護精霊?死神はそもそも精霊なのか?と頭の中でハテナマーク連発状態になった。
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