40話目
「それじゃあ、俺たちは先に教室行ってるぜ」
「またね沙奈」
「うん」
夏休みに学校に来た日、今日のことを色々聞いたんだ。
学校に来たら教室じゃなくて職員室に行って。それから教室でちゃんと自己紹介するんだって。
始業式で僕の名前は出さないけど、突発性身体変化の生徒がいるっていうみたい。
でもそのうち僕がその生徒だって話は広まりそう。
だって性別が変わったら誰だって気が付くよね。
説明もちゃんとするって言ってたけど、どう思われるんだろう。
移る病気じゃないけど、いろいろ言われるのかな。
「沙奈ちゃんおはよう」
「おはようございます、中嶋先生」
「それじゃあいこっかー。先生が呼ぶまで廊下で待っててね?」
「はい」
なんだか、転校生にでもなった気分。改めて皆に挨拶するんだけど。何話せばいいんだろ。挨拶だけでいいのかな。
僕が廊下にいる間にホームルームがが始まって、そして僕が呼ばれた。
「沙奈ちゃんー。いいわよー」
「えっと失礼します」
うー、やっぱり皆こっち見てる。やっぱり驚くよね。クラスの中で驚いてないのは夜玻と恋伽だけで。あれ、雪野君もあんまり驚いてない気がする。
気のせいかな?それとも表情に出てないだけ?
何となく夜玻と恋伽が頑張れって言ってる気がして少し勇気が出てきた。
「沙奈です。女の子になちゃいましたけど。よろしくお願いします!」
とにかく元気に行こうと思って、挨拶してお辞儀した。
頭を上げるとクラスの皆が僕じゃなくてお互いを見てた。
僕がお辞儀してた間に何があったの?
「じゃあ沙奈ちゃんは自分の席に座ってね」
「はい」
何度か席替えをして僕の席は教室の左端になった。前が夜玻で右に恋伽がいて。
夜玻が邪魔で黒板が見えないときもあるけど、でも二人が近くにいるからすごく安心する。
「それじゃあ今日の予定を確認しますねー」
「沙奈、よかったわね大丈夫みたいで」
恋伽が、安心してるところに話しかけてきた。先生の話聞かなくていいのかな?
「うん。でもみんなどうしたの?なんだかきょろきょろしてたけど」
「あれは、あれよ。あんまり気にしなくていいわ。沙奈に害があるわけじゃないから。ね、夜玻」
「ああ、そうだな。沙奈は何も心配しなくていいぜ。クラスの意見が一つにまとまっただけだからよ」
何か話したのかな?声聞こえなかったけど。
「じゃあ第一体育館に移動しますよー」
いつの間にか先生の話終わってたみたい。
体育館で始業式をやって、校長先生が病気の話をして。やっぱりざわざわした。
それから教室とかの掃除をして、今日が終わった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます