26話目

ソフトクリームを食べた僕は家に帰ってきた。ちなみに、夜玻はソフトクリームを食べきることができた。

「姉さん、ただいま」

返事が返ってこない。いつもなら「おかえり」返ってくるんだけど。寝てるのかな。

姉さんの好きなモナカを冷凍庫に入れて、姉さんの部屋に行く。

「姉さん、おきてる?」

扉をノックしても返事がない。玄関に靴あったから居るはずだし、寝てるなら起さないほうがいいかな。

リビングの時計を見ると四時になったところだった。まだ、夕飯作るには少し早いかな。

プールで雪野君に会ったけど、本当に真実を話せるのかな。目が覚めたら性別が変わってたなんて、若返るのと同じくらいありえないことだし。

学校に行くのは理由含めてどうにかしてくれるみたいだけど。

どんな理由になるのかすごく心配。

とりあえず何作るか決めないと。タラの切り身あるからムニエルにしようかな。みそ汁は温めればいいし。


「いい匂い。お帰り沙奈、帰ってきたなら起こしてくれればいいのに」

「寝てるの起こしたら悪いと思って」

「気にしなくていいのに。それで今日の夕飯はなに?」

「タラのムニエルとお味噌汁だよ」

「美味しそうね」

料理は僕が担当。だから盛り付けとか、お皿の用意は姉さんがしてくれる。

「それで楽しかった?」

「うん。ちょっと大変なこともあったけど。楽しかったよ。」

「何があったの?」

「えっと、僕が迷子になって。チャラい人たちに絡まれて。同じクラスの子が助けてくれたんだ」

「やっぱりいたのね。それにしても、迷子ね」

嫌な予感がする

「沙奈もまだまだ子供ってことね。今日は一緒に寝ましょうね。沙奈ちゃん」

「子供じゃないよ!」

「大人でもないでしょ。一緒に寝るのよ」

「わかったよ」

こうなった姉さんの頼みは断れない。一緒に寝ると朝起きれなくなるから困るんだけど。

「姉さん」

「何?」

「間接キスってなに?」

「ん”ん”ごほっごっほ!」

「はいお水」

「はぁ……それで間接キスだったわね」

「うん」

「まずどうしてそうなったかきいていい?」

「えっとね」

コンビニであったことを話した。

「そういうことね。まずキスについては沙奈もわかるでしょ」

「うん」

ドラマとかで俳優さんと女優さんが顔近づけてるのだよね。

「それで間接キスっていうのは、異性が口づけたもの。沙奈の話だと夜玻君の食べたソフトクリームを沙奈が食べることなの」

「ん?」

「わかってなさそうね……」

ソフトクリーム食べてるだけなような?

「夜玻君が口付けたソフトクリームに沙奈が口をつけると、直接じゃないけど唇と唇が触れたことになるから。間接的なキス、間接キスになるの。わかった?」

「なんとなく?でも夜玻とは友達だしきにしないよ?」

「あーそのね。沙奈が気にしなくても、夜玻君が気にするのよ」

「そうなの?」

「そういうものなの。思春期の男の子だもの意識しちゃうのよ」

「そうなんだ」

「これは、知らないままのほうがいいのか迷うわね。沙奈はあっちのほうには疎いし……」

「姉さん?」

「何でもないわ。沙奈はそのままでいてね」

「うん?」



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