21話目

「恋伽、紗奈行けるってよ」

 紗奈から行けると返事をもらってから、すぐに恋伽に電話した。

「そう、良かった。紗奈だけ仲間外れになるみたいで、嫌だったから」

「それはそうだけどよ」

 俺はちょっと思うことがあった。

「なに?心配事でもあるの?人混みは私達が紗奈と一緒にいれば大丈夫でしょ?」

「いや、クラスの奴らと会うんじゃないかってな」

「あっ」


 明後日のリニューアルオープン。俺たちだって知ってるんだ。クラスの奴らが知っててもおかしくない。海に行った時は距離があって、そんなこと考えてなかったが。

 今回は隣町で距離も近いし、あっちに住んでる奴が何人かいた気がする。会わない方が難しいと思う。


「そっか、そうだよね。どうしよう、今更無しには出来ないし」

「水着が水着だからな。見られたら性別変わったのがバレちまう」

「どうしよ」

 どうしよって言ったってな。そういえば綾音さんが

「綾音さんどうにかするって言ってたよな」

「そういえば言ってた。帰ってきた日よね?」

「ああ。だから俺たちは気を付けるに越したことはないけど、気にしすぎるのもよくないんじゃないか?」

「そうね。それに仮にクラスの皆にバレても皆なら分かってくれそう」

「信じようぜ。まだ一学期しか一緒にいないけど、優しい奴らだってわかってるからな」

「もし何かあっても、私たちで守ればいいものね」

「おう」

「じゃあ、また明後日ね」

「またな」


 通話を切り、恋伽と話したことについて考えた。沙奈が女の子になった日のことを思い出す。

 恋伽から電話が来て、沙奈の家に行ったら昨日と変わらない沙奈がいて。

 でも、実は女の子になってて。初めは何にかの冗談かとも思った。でも、沙奈は冗談を言う性格ではないし、恋伽も話をしているときはいたって真剣だった。

 普通ならあり得ないことが起きたんだ。俺は驚いたし、当の本人である沙奈はもっと不安だったと思う。顔には出てなかったけど。

 流星群に願い事をしたあの日。恋人ができますようにと、願うと言ったものの違うことも願っていた。俺たちの友情がいつまでも変わらないようにって。そう、願ったんだ。だから俺は沙奈が女の子になった日、決めたことがある。

 沙奈を守るって。もちろん恋伽だっていままでどうりに何かあったら守るつもりだ。

 二人は俺にっとって、大切な友人だから。


 少し前まで沙奈は私にっとって親友だった。今でもそれは変わらないけど、沙奈は女の子のなっちゃた。

 女の子になる前も中世的な顔してたから、初めて会う人は間違えることある。でもほんとに女の子になるなんて、思ってなかった。

 流星群を見に行った次の日電話が来て、沙奈が女の子になちゃったって言って。急いで沙奈に会いにいって、確認したら本当に本当に女の子になってって。

 その時私は決心したわ、世の男達から沙奈を守るって。世の男といっても夜玻は入ってないけど。夜玻は必ず沙奈を守ってくれるから。

 そもためにも、沙奈には女の子のことを教えないとね。男の時の感覚のままだと、大惨事になる未来しか見えないんだもの。

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