20話目
夏も本番。外に行く時は日焼け止めを塗らないと、外出できなくなってきてちょっと億劫。
そんな中に夜玻から電話が来た。
「どうしたの夜玻」
「紗奈、屋内プール場の話知ってるか?」
「屋内プール場?」
どうやら明後日、隣町の屋内プール場がリニューアルオープンするらしくみんなで行かないかって話しみたい。
「でも、海行ったよね?」
「あの時はそこまで泳いで無かっただろ?温水プールだから泳ぎやすいし、室内だから日焼けもそこまで心配することないからな」
「うーん」
確かにあんまり泳いだりしなかったけど、リニューアルオープンなんだよね。
「人多いよね、大丈夫かな」
「あーすまん、リニューアルオープンで人くるからやっぱり無理か?」
「いや、大丈夫だよ。うん、二人と一緒だし大丈夫。姉さんに言ってくるね」
「大丈夫じゃないだろそれっ」
あっ、まだ何かあったかな。電話切っちゃったけど。何かあったらまた電話してくるよね。
「姉さん、ちょといい?」
「どうしたの、紗奈」
早速許可を貰いに姉さんの部屋を訪れる。変わらず、物が散乱してるから片付けながら話を続ける。
「今度隣町の屋内プールがリニューアルオープンするんだって。それで夜玻たちに誘われてい行きたいんだけどいい?」
「そうね、何かあったら連絡するのを約束するなら良いわよ」
「ん、約束する。それでこれどこに置けばいい?」
「そっちの棚にお願い」
一通り片付けが終わったのでリビングで、夜玻に連絡する。
「もしもし、夜玻」
「紗奈どうだった?」
「いいって。何かあったら連絡することが条件だったけど」
「当たり前だな。紗奈だってまだ慣れてないだろうし、人混みもあるからな。何かあったらちゃんと言えよ?」
「分かってる」
「じゃあ明後日、紗奈の家に集合して行こう」
「うん」
明後日楽しみ。
「紗奈、紗奈」
「んぅ……」
眩しい……眠い……。
タオルケットを被って陽の光を遮る。おやすみなさい……。
「全く、朝に弱いのは変わらないのね」
プール行くのは明日だって言うのに、眠れなかったのね。
「こういう所はまだまだ子供ね」
私の手より小さくなった手を取って、頭を撫でる。
「女の子になって、さらに可愛くなって。原因は絶対突き止めてみせるわ」
「おねちゃ……」
もう少しこのままでいてもいいかしら、昔よりうんと可愛いんだもの。
「ふぁ……んん……」
寝れなかった。今日頃はちゃんと寝ないと。今、何時だろ?
枕元の時計を見ると十時になっていた。十時……朝ごはんどうしよう。その前に姉さん何食べたんだろ。
「姉さん?」
部屋をノックしても返事がない。リビングに居るのかな。
「姉さ……どうしたの?」
「紗奈お腹空いた……」
「食べてないの?」
姉さんはリビングのテーブルに、座ったまま倒れてた。
「作ろうとしたのよ……でもね」
キッチンを覗くと、なにかを作ろうとした形跡があった。油のしかれたフライパン。チャーハンの元にご飯。あと卵があればすぐ作れるような状態だった。
「卵あったはずだけど」
「冷蔵庫にあったわ。でもね、料理したのがもう何年も前だから忘れたの。料理の仕方!」
料理の仕方って忘れるの?
「今から作るから待ってて」
「ありがとう紗奈」
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