15話目

「選び終わったのか?」

「うん、選んだ。あとは海行って着るだけ」

「そっか。じゃあいつ海行くんだ。決めてなかっただろ?」

「そうね、綾音さんと一緒に行かないといけないから。綾音さんいつ頃空いてますか?」

「いつでもいいわよ。結果さえ出ればいつ休んでもいいから。なんなら明日でもいいわよ?」

「ほんと?」

「ほんとよ紗奈」

「じゃあ、明日行きたい」


 初めて行く海。僕はとっても楽しみにしていて出来ることなら早く行きたいと思っていた。


「紗奈ってば海に行くの楽しみなのね。私も明日でいいわ。夜玻は?」

「俺も明日でいいぞ」

「じゃあ、明日、明日行こ!」

「それじゃあ明日行きましょう。そして今日はもう帰りましょう。明日の為にもね?」


 次の日。私が起きて1階に降りると、いつもは私より早く起きているはずの紗奈がリビングにいなかったの。

 紗奈が寝坊することなんてなかなかにレアだから、早速紗奈の寝顔を見に行ったわ。

 静かに扉を開けると紗奈はタオルケットに身を包んで、そのあどけない寝顔を無防備に晒していたの。

 こうして、紗奈の寝顔を見れるのは家族の特権よね。

 女の子になってさらに磨きのかかった可愛さ、ほっぺのぷにぷに感がたまらない。このまま愛でていたいけど、起こさないと。

「紗奈、朝よ。海行くんでしょ」

「んんぅ」


 紗奈は結構朝に弱くて目が覚めるまで何分かかかる。この時の紗奈はとてつもなく可愛い。

「紗奈」

「にゅう」

 可愛い!写真撮らないと写真!右手でビデオを撮りつつ左手のスマホで写真を撮る。いつからビデオを撮っていたかと言うと初めから。

「紗奈、起きて」

「んん……ん、姉さんおはよ」

「おはよう紗奈。お姉ちゃんリビングにいるからね」

「ん」


 ビデオカメラを隠しつつ紗奈の部屋を出た。


 うぅ姉さんに起こされちゃった。昨日の夜は海に行けるから、わくわくして寝るのが遅くなっちゃって。恥ずかしいよ、姉さんに起こされたのもそうだけど、高校生にもなってわくわくして寝坊したんだから。


急いで寝巻きから着替えて顔を洗ってリビングに向かった。


「姉さん、起こしてくれてありがとう」

「いいのよ、気にしなくて。さあ、朝ごはん食べちゃいましょう。恋伽ちゃんと夜玻君が来るから」

「うん」


今日の朝ごはんは泳ぐから軽めの朝ごはんにしました、お茶漬けです。


「「おはようございます」」

「おはよう、恋伽ちゃん夜玻くん」

「おはよう2人共」

「車に荷物を積んでちょうだい。積み込んだら海に出発よ」

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