9話目

 僕が泣き止むまで2人は待ってくれて、僕が泣き止んでから夕食を再開した。

 どうも女の子になってからは涙脆くなったみたい。これも性別が変わったからなのかな。


 夕食を食べるともう7時を越していて、急いでお風呂を沸かした。夜玻はシャワーでいいみたいだけど、僕は温まりたかったから。

 夜玻が先に入った。シャワーだからそこまで時間はかからないからと言って。

 実際に15分くらいでお風呂を上がってきて髪を乾かしていた。


「紗奈、行きましょ」

「うん」

 1人で入ろうとしたら恋伽に止められた。女の子のお風呂は男の子とは違うから言われて。


「まずは髪ね、長い髪とかはブラシでブラッシングした方がいいんだけど私も紗奈はも

 ショートだから手ぐしでも大丈夫。もちろんブラシがあった方がいいんだけどね」


 そう言いながら紗奈はは僕の髪を手ぐしで梳かしてくれた。


「次がすすぎ。大体の汚れはここで落とせるって美容師さんが言ってたの。だからしっかりすすぐわよ」


 三分くらい恋伽に言われたように髪をすすいだ。


「それでシャンプーは泡立ててから付けること。なんだけど紗奈の家のシャンプーは泡で出てくるのね。洗う時は頭皮をマッサージするみたいに洗うの。指の腹を使ってこんな感じでね」


 恋伽が最初に少し洗ってくれてその後は自分で洗ったけど、やっぱり誰かに洗ってもらうは気持ちがいいな。


「洗い終わった?」

「うん」

「じゃあ、ちゃんと洗い流してね。泡が残ると頭皮とかに良くないから。あとはお湯の温度も出来れば38℃くらいがいいらしいわ。今は38℃似合わせてるから大丈夫。次はトリートメントとコンディショナーなんだけど忙しい時は片方だけでもいいわ。ただし両方とも使う時は髪の水気を落としておくこと。そうしないとトリートメントとかがちゃんと付かないからね」


 恋伽が言うには先にトリートメントを使ってその後コンディショナーを使うのがいいみたい。あとは、どっちも頭皮に付けちゃダメなんだって、付けすぎもダメって言ってた。

 トリートメントをして2〜5分置いてからトリートメントをしっかり洗い流してコンディショナーを付ける。

 コンディショナーはそんなに時間を置かなくていいみたいで、この間に顔を洗ってから流すぐらいがちょうどいいんだとか。

 そして、コンディショナーもしっかり洗い流して髪の水気を取って体を洗って。

 体の洗い方は今までと変わりなかった、順番も。


「やっぱり夏でもお風呂は大事ね。心の洗濯とはよく言ったものよ」

「そうだね」

「それにしても紗奈ってちっちゃいわよね」

「確かに男子平均よりは低いけど」


 僕の身長が155cmで恋伽が165cmと、僕は平均身長よりも低い。恋伽は平均身長よりも高くて僕達は10cmほど離れている。


「恋伽が大きいんだよ」

「確かに私の方が色々と大きいものね」

「間違ってないけど。狭くない?」

「大丈夫よ、ちょうど紗奈が入るスペースあって良かったわ」

「うん」


 恋伽の言う通り僕の入るスペースはあった。夢の膝の上だけど。恋伽が足を伸ばすとちょうど湯船の端まで足が届く。僕はその状態で恋伽の上に座っている状態。だから体も恋伽に、預けるような形になってる。

「昔一緒に入ったのっていつだっけ多分10年くらい前」

「もうそんなに経つんだ。変わらないね私も紗奈も」

「僕は変わったよ」

「変わってないよ」


 後ろから恋伽か抱きしめてくれた。


「紗奈は紗奈だよ。性別が変わっても紗奈であることにかわりはないじゃない。中身が変わった訳じゃないんだから」

「うん……」

「だから今まで通り居ればいいのよ。紗奈は紗奈のままでね」

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