7話目
「うぅ、また負けたー!」
「紗奈には勝っただろ?」
恋伽がビリになったレースゲームを夜玻を入れて3人でやってるんだけど、恋伽がまた夜玻に負けてちょっと荒れてる。
初めはビリだった恋伽も次第に順位を上げて、今では僕達で1位から3位までを争っている。
僕は恋伽と2位3位争いをしてるんだけど、夜玻は不動の1位なんだ。さっきも恋伽が1位だったんだけど、ゴール直前でスリップして結局、夜玻が1位になって。
これがCPUが原因でスリップしたなら仕方ないんだけど、夜玻が最後に狙ってやったから余計にタチが悪いんだ。
「あーもう!怒ってたらお腹すいてきたわ」
「もうそんな時間なんだ」
「結構ゲームしたからな」
「2人とも泊まってくなら夕飯食べるよね?」
「もちろん、紗奈の手料理楽しみにしてるわ」
「少しは手伝うとかしないのかよ」
「するわよ、煮るのとか」
「それは料理とは言わないと思うが何だかな。それで何作るんだ?」
「それが食材ないから買わないといけなくて。何か食べたいのある?」
「うーん、なんでもいいって言うと困るだろうしな」
「とっても困る。何でもいいが一番困るから、出来ればこれ食べたいって言って欲しい」
「夏だからお鍋って訳には行かないわよね」
「やろうと思えば出来るけど」
カセットコンロも土鍋もあるから鍋をしようと思えばやれないことは無い。
もちろん夏だから暑い時に熱い物を食べるのも微妙なところだから渋っているんだろうけど、何人かで食べるならお鍋は結構楽。
材料入れて煮るだけだから、作る側としても手抜きできる。
「夏らしく冷やし中華でいいんじゃないか?」
「いいわね」
「それじゃあ冷やし中華する?」
「おう」
「ええ」
「じゃあ買うのは中華麺、きゅうり、卵、ベーコン、でいい?冷やし中華のたれは冷蔵庫にあるし」
「いいんじゃないか?そこまで凝って無くていいし」
「そうね、半熟卵とか乗せてもいいんじゃない?」
「まあ、そこはお好みでだな。よしスーパー行こうぜ」
「どうせなら、紗奈の下着とか買いに行きたいわね。紗奈お金ある?」
財布の中には五千円札が1枚と小銭が幾らかあるだけ。夕飯の財力を買っても多分二千円は残るだろうから間に合うかな
「多分大丈夫」
「足らない時は俺も出すさ。夕飯作ってもらうからな」
「そうね、お金は私たちで出しましょ。夕飯のお礼ってことで。いいでしょ夜玻?」
「ああ、問題無いぜ」
「じゃあ行きましょ。あっ下着選ぶ時は店の外にいなさいよ?」
「当たり前だろ!?好き好んでついて行かねえよ。荷物持ちはするから店の外にいるさ」
3人で自転車をこいで近くのショッピングセンターに向かった。
「それじゃあ、私たち下着見てくるから夕飯の方は任せたわよ夜玻」
「なんかさっきと話が違う気もするが。わかった。てかお金どうするんだよ」
「あっそっか。じゃやっぱり一緒に来て店の外で待っててよ」
「はいはい、仰せのままに」
「それじゃ行くわよ紗奈」
「うん、お願い」
「あっ、私たちの関係聞かれたら姉妹って事にしておきましょ。紗奈はなら十分通用するし」
「お姉ちゃん?」
「いいわね!」
夕飯が九二自分を抱きしめてワナワナしたと思ったら急に大きな声を出したからびっくりしたけど周りの迷惑になってないかな
「お前それ言わせたかっただけだろ。大声出すな」
「知らないもんー!」
「はあ、じゃあ俺はお前達の兄だな」
「あんたみたいな兄は要らないわよ」
「お兄ちゃん?」
今度は夜玻が顔を手で覆ってボソッっと呟いた
「うっ、これは結構来るものがあるな」
「でしょ!こう、保護欲が湧いてくるというかお持ち帰りしたくなるわよね!」
「危ない発言をするんじゃない。そらさっさっとしないと夕飯が遅くなるぞ」
確かに夜玻の言う通り。僕達は少し急ぎ足で下着の売っているお店に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます