5話目

「このまま隠し通しながら通うことも出来るけど、できるだけ気にせず通いたいわよね」

「なんかこう、大義名分つうのか?そう言うのがありゃあいいんだがな。国がそういう病気と認定してくれるとかよ」

「でもそれだと紗奈が何されるかわかったもんじゃないわ。あれこれ理由をつけて変な実験とかされちゃうかもしれないし」

「それは本の読みすぎだ、だが研究所とかに監禁はあるかもしれねぇな」

「夜玻も本の読みすぎじゃないかな。監禁はされないと思うよ。検査とかはされると思うけど」

「じゃあやっぱり隠しながら学校行くしかないのかしら」

「どうだろうな、そこら辺は紗奈のお姉さんが帰って来るのを待つしか無いな。明日には帰ってくるんだろ?」

「多分?」

「多分て、ずいぶんと曖昧だな」

「だって何処にいるか分かってないもん。出張行ってる時は外国だけど場所教えてくれないし」

「それは……どうなんだ?いや守秘義務とかそういうやつなのか?まあ、考えても仕方ないとりあえず俺も今日は泊まる」

「わかった」

「わかったって…紗奈。そりゃ女の子二人だけじゃ不安だけど、仮にも男であるこいつを泊まらせるのはさすがに。私もこいつのヘタレっぷりを知ってるから呼んだけど、いつ狼になるか分かったもんじゃないし」

「おいまて、聞き捨てならないことが聞こえたぞ!」

「じっさいヘタレでしょ夜玻」

「そこじゃねぇ、なんで俺が狼になるんだよ」

「ヘタレなのは認めるのね。だって男って狼でしょ?か弱いか弱い女の子という羊を狙う」

「俺がお前達をそんな目で見たことあったか?」

「たまーに胸とか見てくるくせにエッチ」

「そ、それは見たっちゃ見た。済まなかった。だが、困ってる時に襲うようなそんな無神経な人間じゃねぇ」

「そんなこと知ってるわよ何年の付き合いだと思ってるの?さっきのだって冗談に決まってるでしょ」

「冗談キツぜ全く。とりあえず着替え持ってくるから待っててくれ」


 そういって夜玻は自分の家に戻って行った


「そもそもおばさん泊まる許可してくれるのかしら」

「大丈夫なんじゃないかな。あっ泊まる部屋ないんだった」


 僕の家は一階にリビングやキッチン、お風呂場があって2階には僕の部屋だったりお姉ちゃんの部屋がある。

 元々お姉ちゃんと二人で暮らしてたから、空いてる部屋がない。

「そうなの?私が泊まるからもう空いてる部屋ないのね。夜玻だし床にでも寝せておけばいいのよ」

「いや、恋伽の泊まる部屋もないんだよね。すっかり忘れてた」

「ええ!ちょっと、私ソファーに寝るのは勘弁よ?」

「一緒に寝る?」

「一緒にって紗奈と?」

「うん、昔は一緒に寝てたし。いまは同性だから問題ないでしょ?予備のお布団出せば僕の部屋で一緒に寝れるからさ」

「一緒に寝るって……そう言う意味ね」

「そうだよ?」

「いえ、なんでもないわ。私が穢れてたのよ気にしないで。紗奈はそのまま綺麗なままで居てね」

「うん?」

 穢れたって恋伽のどこが穢れてるのかな。こんなにも綺麗なのに。うーん、たまに夜玻とか恋伽が、何言ってるか分からないんだよね。聞いても教えてくれないし。

「コーヒー飲む?」

「ミルクと砂糖入れて頂戴」

「えっとカフェオレでいいのかな?」

「うん、お願い」



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