4話目

 恋伽が着替えを取りに家に帰ってから一時間がたって十一時近くになりました。

 恋伽が遅いのは多分泊まる理由とかを話してるからなんじゃないかな

 お昼が近くなって来たので早めに昼食を作ることにした。冷蔵庫に残って居るのは厚切りハムと卵だけで、冷凍庫にあるお肉は解凍しないといけないし。明日おかずを買いに行かないと。


 ひとまず炒飯を作ることにして、卵を箸でかき混ぜます、

 次にフライパンに少しの油を入れさっきの卵を焼きます。


 卵がいい感じに焼けたら炊飯器からご飯をフライパンに入れて、事前に切っておいた厚切りハムも入れて炒めます。


 ハムが焼けてきたら塩と胡椒をふりかけて最後にごま油を少しかければなんちゃって炒飯の出来上がり。


 手をかけて作るのが面倒になった時はよくやる。結構手軽に作れるから休日のお昼なんかにはよくやる

 まだ恋伽は戻ってきてないけどお腹すいちゃったし、先に食べてよ。もぐもぐと炒飯を食べてると恋伽が家から戻ってきた。


「紗奈戻って来たわよ。あらいい匂いするわね、何作ったの?」

「炒飯作ったんだけど。食べる?」

「良いの!ありがとう。紗奈の作る料理は美味しいのよね」

「手抜きだよ?」

「手抜きでも美味しいものは美味しいのよ。ほんと一家に一人紗奈が欲しいわ」

「僕は家電じゃないよ?」

「わかってるわよ。冗談よ冗談。それにしてもいいお嫁さんになるわ。ってほんとにお嫁さんになれちゃうのよね……もう」


 美味しいと言って貰えると作った側としては嬉しい限りだ。


「しかし、ちょうど夏休みでよかったわね」

「うん、あんまり学校休みたくないし」

「それにしてもどうしよっか。二人だけで考えても自体は良くならないし」

「夜玻呼ぶ?」

「良い考えだけど···紗奈、今女の子なのよ?夜玻を今呼んだら···どうにもならないわね、夜玻だし。じゃあ呼びましょうか」


[夜玻ちょっと、紗奈の家来れる?]

[ん?良いけどどうした?]

[んーまあそうね、来たらわかるわ]

[なんか、曖昧だな。まあいい今から向かうわ]


「とりあえず呼んだわ、来るまで15分てところね」


 夜玻が来るまで15分なんだ。自転車でも20分かかった気がしたけど急がせたのかな?


「さて、夜玻来るまで暇だし紗奈、ゲームしましょ。」

「良いけど、何やるの?あんまりゲームないよ?」

 僕は一人暮らしなので家にはあんまりゲームが置いてない。今あるゲームだとレースゲームかパーティゲームかな。


「紗奈ゆっくり走ってよー!」

「充分ゆっくり走ってるよ」

「じゃあどうして私がビリなのよ〜」


 恋伽、突っ伏しちゃった。結局レースゲームで遊ぶことになったんだけど恋伽って以外にレースゲーム苦手だったんだね。格闘ゲームだと夜玻ボコボコにしてるのに。

 恋伽が「リベンジよ!」と言ってゲームを再開しようとすると、インターホンが鳴ったので端末を見ると画面には夜玻が写っていた。


「夜玻来たから扉開けてくるね」

「わかったわ」


 玄関まで来るとリビングから「あっ、ちょっと待って紗奈!」と恋伽の声が聞こえたけど気にせず、鍵を開けて扉を開けた。


「ん?紗奈か。どうしたそのダボダボの服。恋伽はリビングか?」

「そうだよ。とりあえず暑いから早く中入って」

「おう、悪ぃ」


 夜玻とリビングに行くと、何かを諦めたような恋伽がいた。


「恋伽、来たぞ」

「とりあえず、話があるから座んなさい」


 問答無用で夜玻をイスに座らせた恋伽はこれまでの話を夜玻に話し始めた。

 夜玻は驚いた顔を初めはしてたけど次第に目をつぶって何かを考えてるみたいだった。


「とりあえず話はわかった。紗奈はいつの間にか女の子になってて原因は分からんと」

「そう言うこと。それでどうしようかって話なのよ」

「紗奈のお姉さん待つしかないんじゃないか?」

「やっぱりそうなっちゃう?」

「だってそれしかないだろ。俺たちにできることは限られてるしな」

「じゃあその私たちにできることを考えましょうよ」

「俺らがか。学校で近くに居るくらいか?ぱっと見変わってないしな外見」

「そうね、それだけが救いかしらね」

「ねぇ僕、学校行けるのかな」

「あー、そうか。その問題があったな」


 性別が変わっちゃうと手続きとか色々あるし、どうして性別が変わったのかの理由聞かれたら何も答えられないし。






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