2話目

 夏休み初日、いつもと変わらない時間に起きた僕はパソコンを起動させた。メールが来ていたから開いてみると姉さんからメールが来ていた。


 件名:近々帰るわ

 おはよう紗奈、そろそろこっちでの仕事が終わりそうだから近々帰れると思うわ。お土産買っていくから楽しみにしてなさい。それと風邪とかには気をつけるのよ、熱中症は特にね。


 姉らしい短い文面だった早速メールを送った。


 件名:楽しみにしてるよ

 帰って来るんだ。姉さんも気をつけて、僕は大丈夫だから。お土産楽しみにしてる。


 メールを送信し終えた僕は、昨日の残り物をレンジで温め直して炊きたてのご飯を茶碗によそって、朝ごはんを食べる。

 テレビをつけると昨日の流星群のことをニュースでやっていた。何百年に1度の流星群だからどこのテレビ局でもこの話題で持ち切りになっている。数十年に一度じゃなかったんだね。

 何となくテレビを見ながら食べ終わり、流しに食器を置いてうるかしておく。

 そしてパジャマを脱いで着替える途中異変に気がついた。


 体が女の子のそれになっていた。何度確認してもそれは変わることは無かった。とりあえず騒ぎ立てても問題が解決する訳でもないのでひとまず着替えた。


 リビングに戻りスマホのLINKを開き誰に相談しようか考えた。まず姉さんは無理だ。仕事で忙しいだろうし、あまり迷惑をかけたくない。

 そうなると選択肢は限られてくる。恋伽か夜玻のどっちかだ。とりあえず今は同性である恋伽に相談した方がいいのかな。

 悩みに悩んだ末、恋伽に相談することにした


[恋伽おはよう]

[紗奈おはよう。どうしたの滅多LINK使わないのに]

[相談したいことがあるんだけど家まで来れる?]

[相談?ほんとに珍しい。紗奈が相談事なんて。別にいいわよすぐ行くわ]


 それから約十分が経ちインターホンがなった。


「恋伽、来てくれてありがとう」

「気にしないで。それより相談ってなに?」

「実は目が覚めたら身体が女になってたんだ」


 恋伽はフリーズしたかのように動きを止めてぎこちない動作で僕のおでこを触ってきた。


「熱は····ないか。紗奈なんか変なものでも食べた?」

「食べると思う?」

「だよね···紗奈が嘘言うわけないし。リビングで確認する訳にはいかないから、お風呂場行きましょ」

「わかった」


 二人でお風呂場まで移動した。


「とりあえず確認しないとダメよね。紗奈服脱いで貰ってもいい?」

「いいよ」


 僕は慣れた手つきで服を脱いでいく。


「紗奈、恥ずかしいと言う感情はないの?」

「特にない。恋伽とは昔一緒にお風呂入ってたし」

「それってもう十年以上前のことでしょ···なんか心配してるこっちがおかしいみたいじゃない」

「終わったよ」

「うーん完全に女の子ね。紗奈は元々中性的な顔してたから普通にしてたら分からないわよ?声も高いし」

「そっか」

「そっかって···マイペースな所は変わらずなのね。ひとまずどうしてこうなったのかは置いといて下着をどうにかしないとね」

「別に今のままでも良いのに」

「良くないの!というかこっちが気になるの少し待ってて家から良さそうな下着持ってくるから。紗奈はちゃんと服着といてね!」


 恋伽はそう言い残して家を出ていった。僕は服を着てリビングでカフェオレをちびちびと飲んでいた。カフェオレを飲み終わる頃には恋伽は戻ってきた。


「新品の持ってきたわ。ブラはさすがにサイズが合うのないから後で買いに行きましょ。さて、着替えてきて私はここで待ってるから」

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