幕間 イフネ・ミチヤは罠を仕掛けた

「で、ミチヤはあの宝珠になにを仕組んでいるわけ?」


 遠見の水晶で酒場の様子を確認しながら、エリアリそんな質問を投げかけてくる。

 それに対して、イフネは小さな苦笑いを浮かべて答えを返す。


「いやいや、あの宝珠には別になにも仕組んでないんだな説明されているそのままなんだな、これが。あの浄化の宝珠の効果は、一定時間、範囲内の魔法とマジックアイテムの効果を無効化する、それだけ。なかなかえげつない効果だけど、まさに商人たちが言っていたように、使い所に困るアイテムなわけだ」

「ふーん。で、彼がそれを使うとどうなるの」

「おそらく、マジックアイテム慣れしていない彼はそれに気が付かず決定的なミスを犯してくれるはず。そのミスで持って、彼が日本人であると確定することになるわけでね」

「でも、もう異世界転移者ってことはわかってるでしょ。それじゃ駄目なの?」

「まあね。確かに彼は既に2つ、自分が異世界転移者であると知らず知らずの内に自白している。もっとも、それだけではまだ決定的な証拠にはならない。それはあくまで彼が異世界転移者であることの証明で、日本人であることの証明にはならないからな。だから、もう一つの証拠が欲しいわけで、そのための罠が、あの浄化の宝珠ってわけさ」


 イフネは自信たっぷりに笑う

 そうして彼は、もう一つの仕込みである泥人形に魔力を吹き込んでいった。

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