温度
昨日は静かだったけれど、恥ずかしがり屋のベッドさんは寝ている間に私を置いて逃げちゃったみたい。相変わらず、ドアをまた閉じて以来真っ暗な部屋に一人ぼっちだ。本当に独りぼっちではないけど。
今日はなんだか暑いな。そのはずなのに、底冷えだ。暑いと思ったんだけどなぁ。
・・・
後頭部から額に、そしてさらにその延長の彼方に向けて突然閃光が通り抜けた。思わず眼を瞑ったが、なにかがまた来たに違いない。後ろから暖かさを感じる。思わず大声が出そうになったけど、我慢した。もう見るのはやめてくれ。悪趣味だ。
なんでそんなに何もかもを見ようとするんだ、何もないだろ。ここは暗闇だから何も見えないだろ。獣臭い、お前は卑怯だ。人間の癖に。
・・・
いなくなった。緊張が解れて肩の力が抜けるのを感じる。ドアの方をみると昨日と変わらず隙間から光が漏れている。あの蝋燭、まだついているのかな。
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