第3話-Aさんの見解

透明になったのは中学のときだった。


恥ずかしながら、女子から告白されることが多々あった。


自慢になってしまうが、他人ひとの目を惹く容姿だと友人は羨ましいと当時、言っていた。


でも正直興味がなかったので。


「面白いことしてくれたらいいよ。教頭のズラ飛ばしたり」



そう言っては、かわしていた。


ほんとにしてくれた人もいたが面白くなかった。逆に冷や汗が出た。


しかし約束は約束だ。

俺はその子と付き合った。


俺の顔のつくりは仕方がないことだった。眼鏡をかけても逆に似合うと言われ、どうしようもない。



しかし、転機が起こった。



それは元カノが自分の容姿だけに惚れていたとたまたま、聞いたときだった。


鏡を見ていっそこんな顔消えてしまえ。そう何週間も何ヵ月も願った。


贅沢な悩みだと友人は言った。


ある日、俺はいつものように洗面台に立った。


自分の姿が服だけしか写っていないのだ。


しかし下を向くと、手、足、横には少し伸びた髪の毛は見えた。


一番最初に思ったことは。

髪の毛どうやって切ろう。映らない鏡を見て落ち込んだ。


問題はそこじゃなかったが。



友達に驚きはされたが離れていかない優しい奴ばっかりだった。


しかし、彼女とは別れ。


それ以来、俺を知らない人間は俺を怖がった。


友人がある日、俺と同じ状況におちいった。


なんでかは知らない。

俺とは別々の高校に入学したというのに全校集会で校長のズラを飛ばしたことは記憶に新しい。


何でいるのか?


知らない。



でもスカートめくりも覗きも止めたのは俺だった。児玉さんは結局更衣室に侵入しているから変態だと自分の身体なのに叩いてきた。


容赦ない。


「それで変態一号、どうしろと」


「全裸の男を探せばわかる」


「うえ.....」


彼女は頭を押さえたのであった。

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