第2話

次の日は休日だった。


「俺昨日、学校行ったぞ」


自宅に来た彼はわたしの顔で無表情にそう言い放つ。彼は衝撃の一言を言いやがった。


「はい?だから俺って言わないでよ」


「あれだよね。さわり放題だよね」


何が?!!?

て....無視か!


わたしは頭を押さえる。

彼の話はこうだった。


昨日、体育があったらしいがよく女子同士でのあるある。


抱きついたり、触りあいっこするあれをされたらしい。


アレとは.....想像にお任せします。


「児玉さんってさ」


わたしの名字を呼んで、こう言った。


「着やせするタイプだよね」


うわあああぁああ!!!?


取り合えず顔を押さえ地べたに座り込んだ。


「何してるの?」


「恥ずかしさを噛み締めています」


それしか言えなかった。





だいぶ落ち着いた頃、わたしは彼に聞いてみた。


「なんでそんなに変態なの?」


ストレートに聞く。

彼はわたしの顔で珍しく笑った。


「変態なのは児玉さんも一緒でしょ」


「はい?!」


「変な身体しているから変体だということは認める」


変態度はそこまでない。

そう付け足すが信じられない。


「俺にはね、その身体のときは自分が見えた」


それは理解できることだった。


「でも、他にも見えるものがあったんだ」


それはきっとスカートに秘められたものだろうか。

いやわたしは変態ではない。


首をかしげてみるがわたしの今の顔。つまり彼の顔は見えないのだろう。

続けてこう言った。


「他の透明人間だよ」


わたしの脳内はキャリーオーバーだった。


「他にもいるんかい?!」


「うん」


彼は、わたしの顔でコクンと頷くが可愛くなかった。

今度からその仕草はやめようと思う。


「児玉さんに頼みたいことがあるんだ」


彼はもといわたしの偽物は....そう言って手を探り、握ってきた。


「彼の悪事を止めて貰いたい」


彼とは男だろうか。

きっと発見したとき悪事を働くのなら、真っ裸なのだろう。


なんで透明人間は露出狂が多いのだろうか。

わたしは鏡で見えない頭を押さえた。




面倒なことになってきた。

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