長男

さつき

第1話

一歳4ヶ月の、長男が、階段から落ちました。

すぐ泣いたものの、頭を打ってるので、

出来れば、大きな病院と思い、

いつもは、行かない、そこそこ大きな病院に、

行きました。


そこで衝撃の事実が、ありました。


「階段から落ちたと言う事ですが、まあ、ね〜。」

もしかして、虐待を、疑われてる?

「階段から落ちた傷は、背中の、擦り傷、軽い打ち身、頭は、たんこぶだから…すぐ、泣いたって言う事だからね…。」

大きな病院、時間外、担当医師ではない。

内科の先生だった。

しばらくすると、小児外科の部長、

先生が、レントゲン写真を、持ってきました。


「お母さん、この子、内臓が、あるべきところに、

ないですね。」

はっ?内臓、ない?

「先天性の横隔膜ヘルニア。」

「左肺部分に、胃、脾臓、大腸、小腸があり、

横隔膜に、穴があいてますね。」

……。

子どもは、私の顔を見て、にっこり。

内科の先生にと、小児外科部長は、

話し合っていました。

会話が、あまり頭に、入ってきませんでした。


夜9時過ぎ、お腹すいたーって、

何度も訴えるように、

おなかと、くちを指差して、

モグモグって、言うてました。

先生に、許可してもらい、

自動販売機で、牛乳、飲み物だけ、

あげることが、出来ました。


緊急手術の可能性があるので、

救急車で、外科部長も一緒に、

母子センターに、ついて来てくれました。


到着すると、即手術じゃなく、

朝1番で、手術となりました。

お腹を、すかせた我が子が、

ぐずりながら、何度も夜中、

起きてました。

絶食中。


朝9時、腹腔手術予定で、

先天性横隔膜ヘルニアの手術開始。

昼過ぎには、終わる予定だった。

内臓が、癒着していないだけ、無事だったけど、

横隔膜の穴から、内臓が左肺部分で、成長したため、開腹手術に切り替えたそうだ。


左肺は、あまり機能しておらず、

成長とともに、左肺が、大きくなるのを、

願うばかりです。


約6時間の大手術。


手術前に、怖さを軽減する、飲み物を、

看護師さんが、子どもに、飲ませると、

しばらくしたら、ふらつきながら、

ニコニコして、たまに、笑い声あげてました。

手術室に行くときも、ベッドに、ちょこんと座り、

手を振っていました。


なんだか、泣きそうになりましたが、

子どもが、手術室に入ったとたん、

泣いてしまいました。


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