第9話 killing you

ショッピングモールでアニメのグッズやら見て。

佳菜子のアニメへの熱愛にドン引きの香澄を見つつ。

時間が経過したので戻って来た。


因みに今の時刻は午後3時。

家に戻るには良い感じじゃ無いだろうか。


と思いながら歩道を歩いていると。

香澄が角の先を指した。

俺は香澄を見る。

笑みを浮かべていた。


「じゃあ、私、こっちだから」


「.....おう」


「またねです!香澄ちゃん!」


「う、うん、またね。佳菜子ちゃん」


嬉しそうに二人は笑みあう。

若干、引いているが。

しかし、こんなにも打ち解けるなんて思ってもいなかった。


俺はその様に思いつつ、二人を柔和に見る。

すると、香澄がこっちに近づいて来た。


「.....でも、今日は本当に本当に有難う。優雅。とってもとっても格好良かった!」


「何を言ってんだ?俺はお前を助け損ねたんだが」


「.....関係無いよ。モテると思うぐらいに格好良かった。うん」


顔を赤くしながら、話す香澄。

俺は少しだけ恥ずかしい感じがした。

そのままじゃあね、と香澄は慌てながら去って行く。


俺はその光景を見ながら。

佳菜子を見た。


「.....良かったな。友達が出来て」


「はいです!私.....転校して来る前は.....ボッチだったので」


「.....あ?マジで」


「.....はい。眼鏡の地味っ子だったんですよ。アニメオタクなのも気持ちが悪いって言われてイジメを受けていて.....そんな中で師匠が.....ダークマターサイトを開設しているのを見つけて.....変わる決意を貰いました。だから.....師匠には感謝しか無いんです。お友達が出来たのも師匠のお陰です!」


赤くなる、佳菜子。

全く、どいつもこいつも。

俺は何もして無いぞ。

好き勝手にやっただけだと思うんだが。


「.....だから.....その、やっぱり好きです。師匠」


「う.....」


「.....ふふっ。です」


コイツは眼鏡を掛けていたにせよ仮にも美少女だ。

だから俺は困惑する。

全くな、と思いながら、だ。

頭を掻きながら真正面を見る。


「.....師匠。兄として。これから先、宜しくお願いしますねです」


「.....ああ」


「.....あ。アニメの事も教えて下さいです」


「.....分かったよ」


俺は少しだけ笑む。

そして俺達は家に帰宅して喜久さんと母親に滅茶苦茶に説教を食らった。

学校から問い合わせが有った様で、当たり前だが。

二人が怖い。



翌日の事だ。

俺は学校に登校すると。

転校生がやって来ると.....なったのは良いが。


「こんにちは。私の名前は白鳥香澄です。宜しくお願いします」


「.....」


「「「「「また美少女ダァ!!!!!」」」」」


クラスのクソ馬鹿どもが喧しい.....。

因みに男子な。

俺達は学校でもそれなりにお怒りをくらい反省文を書かされた。

恨むぞ生徒指導室め。


っていうか、香澄。

転校して来るって俺のクラスかよ。

なんの偶然だこりゃ、凄いな。


「ってことで白鳥香澄だ。宜しくしてやれ」


「「「「「はい!」」」」」


全員がその様に生きの良い返事する。

その事に担任が頭を掻きながらクラスを見渡しながら言った。

指差して香澄に話す。


「白鳥の席は.....七草の席の横だ。行ってくれ、白鳥」


「え?あ、は、はい.....」


.....え、ちょ。

何でそんなに困惑するんだ?

かなり悲しいんだが。

と思っていると、殺意を感じた。


(師匠の横.....くっ!師匠を殺してやる)


一体、何を感じているんだあの馬鹿は。

何も起こらんわ。


俺は溜息を吐きながら香澄を見る。

席に座る時だった。

そんな香澄は俺を見て直ぐに慌てて目を逸らす。


え?俺、もしかして嫌われてる?

俺はショックを受けながらもう一度、香澄を見る。

だが、目を逸らされた。


「か、香澄さん?宜しく」


「.....宜しく。優雅くん」


優雅.....(くん)!?

そっぽを向きながら香澄は素っ気なく答えた。

俺は涙を流す。


何故だ!何故俺は初恋の人にこんな。

くっ!と、思いながら周りを見ると、殺意が増していた。


クラスメイトの全員がジト目で見ていた。

いや、何だよ、お前らという奴らは。

唖然としていると担任が話した。


「はいはい。イチャイチャも良いけど、ホームルームすっぞ。時間ねぇんだから」


「別にイチャイチャしては.....」


と、言い掛けた時。

香澄の顔がボッと火が付いた様に真っ赤になっていた。

俺は見開いていると。


(.....killing you)


いや、お前。

俺は思いながら、佳菜子を顔を引き攣らせて見る。

なんで嫉妬してんだアイツは。

何も起こらないって言ってんだろ。


そもそも、有り得ないからな、香澄が俺を好きってのは、と思いながら香澄を見る。

香澄は俺を見て逸らして見て赤面していた。


何だコリャ?

俺もちょっとだけ赤くなりながら。

担任のホームルームを受けた。

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