第8話 お友達の印

チャラ男との喧嘩ってか、殴り合いが続いている時だ。

110通報を誰かがした様で、パトカーの警察官がやって来てしまい。

周りにサイレンが鳴り響く大騒ぎになった。


その為、ボコボコで乱れた服装のまま俺は香澄と佳菜子と共に逃走した。

と同時にチャラ男も逃げた様だ。

因みに俺はフラフラで瀕死近くである。

近くの公園に逃げてきた。


「イテッ!」


「師匠!我慢して下さい。傷だらけですからです」


近くの水道で濡らしたハンカチで額を顰めながら俺の頬の傷を拭う、佳菜子。

そんな俺の目の前には泣きそうな顔の香澄が立っている。

震えながら俺を見つめてくる。


「もうバカッ.....死んじゃうかと思った.....」


「痛い.....確かに走馬灯は見えたわ。しかし暫くぶりだよ。殴られたのは」


「もう!バカ!本気だったんだから相手は!死んじゃったら私.....」


俺の胸に縋りながら必死に涙でシャツを濡らしつつ。

嗚咽を漏らす香澄。

そんな香澄に笑みながら俺は香澄の頭に手を乗せた。


そして静かに大丈夫だ、と言い聞かせる。

まぁ、眼鏡が壊れた以外は、だが。

思っていると佳菜子が俺に迫ってきた。


「でもそれにしても師匠。滅茶苦茶に格好良かったです!.....流石は師匠です!」


目を輝かせている佳菜子。

何を言ってんだ。

全く格好良く無いわ、全くな。

しかし本気で頭おかしいんじゃねーのかあのチャラ男。


「俺は完全に劣勢だっただろ。格好良くなんぞ.....」


「いや、格好良かった」


その様な声がして。

ゆっくり香澄が立ち上がった。

そして笑みを浮かべて俺を見つめる。

四つ葉を触りながらそっぽを見て赤くなった。


「有難うね。優雅。本気で格好良かった!」


「.....」


恥ずいな。

俺は思いながら目を逸らすと、

目の前に顔が有った。

ジト目の顔が。


「仲が良いんですね。アハハハ」


乾いてる、乾いてるから。

怖いっすよ?

俺はその様に感じる。

ってか、今気が付いたけど。


「転校初日じゃねーのか?香澄。お前」


「うん。だけどいい。休む」


「良いのか?」


サボりじゃないもん、悩み相談だから。

その様に話して、はにかむ、香澄。

俺は少しだけ柔和に見た。


「まぁ、学校ぐらい行かなくても死にませんからね」


「とは言え、サボりの反省文を書かせられるかもな。ははっ」


「だね。アハハ」


俺達はその様に話しながら。

空を見上げる。

しかし、この後どうすっかな。

まだ帰宅時間まで早いだろうしな。


「ねぇ、一緒に遊ばない?新しく出来たショッピングモールとか有るし」


とんでもない提案だ。

俺達は顔を見合わせる。

そして俺は顎に手を添えた。


「良いけどバレんかな。教師とかに」


「大丈夫だと思います。あ、だったら私、アニメショップに行きたいです!」


見開く、香澄

それは別に構わんが、そもそも先ず香澄がアニメに興味あるんか?

退屈になったら意味が無いだろ.....と思ったら香澄が目を輝かせた。

え、え?


「アニメ好きなの?アニメ良いよね。私、ナ●ト好いたりしてる!」


「私はアニメは深夜アニメです!専門部署は.....美少女系です!」


「び、美少女系.....でも、アニメ好きなら嬉しいな。私と友達にならない?」


若干引いている。

しかし香澄ってアニメ好きなのか?

ってか、初めて知ったんだが。

俺はその様に驚愕しながら見つめる。


「お友達.....嬉しいです!是非是非お友達になって下さいです!」


「うん。勿論だよ」


笑顔で応える、香澄。

色々有ったが、友達か。

俺は柔和に思いながら佳菜子、香澄を見る。


色々有ったが、良い感じだ。

と、思っていると佳菜子がニコニコしながら鞄から何か取り出した。


「プレゼントです!」


「コレは.....え?」


「萌え萌えのDVDです!お気に入りです!」


その瞬間は全てぶち壊れた感が有った。

何で深夜アニメDVDを学校の通学カバンに入れて持ってんだよ.....。

ドン引きしてんぞ、香澄がよ。


「あ、有難う。えっと.....これ何のアニメなの?」


「ラ●ライブです!」


ああ!良かったわ。

これでエッチなアニメ出て来たらマジでどないしよと思ったんだが。

思いながら、ホッとする。

よし。


「それじゃ行くかそろそろ。痛みが減ってきたから」


「じゃあ行きましょう!」


「そうだね」


そして俺達は立ち上がって。

俺は服装直しながら、歩いた。

取り敢えずはショッピングモールだな。

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