第5話 取り違え

親の再婚により余りにも極端過ぎるオタッキーな美少女の義妹が出来てしまった。

しかしこれから先、どう接したら良いのだろう。


間近でその義妹のトイレ姿をマジマジと見て更に一緒って。

どう接したら良いのだろう?

誰か教えて下さいと思いながら佳菜子を見る。


「.....所で師匠はどの様なラノベとアニメと漫画がお好きです?」


「.....俺か。俺は.....エロ●ンガ先生だな」


「ふむ、可愛いですよね、沙霧ちゃん」


そうだな。

と俺達はズズッとお茶を飲む。

このお茶は俺の母親が淹れてくれた。


のは良いんだけど.....いつ迄、こいつ居るの?

一人になりたいのに困るんだけど.....。

恥ずかしいしよ。


「師匠」


「.....何だ。師匠は止めろって言ってんだろ」


「.....私にアニメをもっと教えて下さいです。その.....なるだけエッチなもの以外が良いです.....。お風呂シーンとかは良いですが」


アニメ?うーむ。

色々有るぞ。

例えばここ最近ならバナ●フィッシュとかオヌヌメだな。

俺はその様に思いながら、その事を話す。


「.....変わったオープニングとかなら、かぐやとか?」


「おー、です。良いですよね、あれ」


「五等分とか」


「おー、です。良いですよね。三玖ちゃんが可愛いです」


マジでか。

しかし本当にアニメオタクなんだなコイツ。

詳しいな、と思う。


何故、こんなにもアニメにハマっているのだろうか。

俺は思いながら、ふと思い出す。


「.....やっぱり母親の.....?」


「.....まあ、私がアニメにハマったのは.....現実逃避をする為です」


「.....現実逃避か。俺もそうだけどな」


「意気投合ですね。出会っ.....」


そこで赤面しないで下さい。

俺が悪かったけどよ。

まさか尿を我慢しているとは思わなかったんだよ。

真っ赤に赤面する、佳菜子はブンブンと首を振ってから俺を見る。


「.....でも師匠に会えて良かったです」


「.....」


「.....憧れの相手に会えて、最高です」


うっとりしながら言うな。

仮にもお前は美少女なんだから赤面するわ。

俺はその様に思いながら、鼻の下を指で拭く。


「.....でです。師匠。私、師匠にプレゼントが有るんです」


「.....は?プレゼント?」


「.....はいです。私、小説を書くのが得意なんですよ」


「.....小説だと?誰をモデルにしたんだ」


勿論、師匠です。

当たり前だがそうなるよな。

滅茶苦茶恥ずいんだけど、と思っていると。

何かゴソゴソとカバンから出した。


「これです。私の小説です」


「.....マジか.....」


「題材は確かに師匠ですが、勝手な妄想で書きましたです。だから.....ちょっとお気に召さない部分も有ると思いますです」


紙の束を渡してくる、佳菜子。

いや、そんな事は無い。

俺をモデルとは言え、俺の為に書いてくれたら嬉しいだろ。

その様に思いながら読む。


(師匠の事が好きだから、どうアピールしたら良いかな。私。その様に日々思ったり。昔から憧れている、師匠。恋人になれたら幸せだなって。ふふっ)


おかしくね?

俺をモデルってか、妄想小説の様に見えるんだが。

てーか、俺を好き!!!!?

何だこれ!?俺は赤面で顔を見上げてニコニコしている佳菜子を見る。


「.....どうしましたです?」


「一体、これは何だ!?」


「.....へ?」


俺の言葉に目をパチクリして、鞄を見る佳菜子。

そして見開いて、みるみる顔が赤面していく。

アタフタし始めた。


「.....えっと.....えっと!!!返して下さいぃですぅ!!!」


「うお!暴れんな!お茶が溢れるだろ!!!」


ポカポカ殴ってくる、佳菜子。

どうやら、取り違えた様だ。

俺は慌てて小説擬きを渡すってか、俺への告白文章?を、だ。


それを奪い取って、どんどん真っ赤になっていく、佳菜子。

目を渦を巻いて、頬を赤く染める。

胸に抱えながら俺に聞いてきた。


「.....うぅ.....何処まで見ましたです?」


「.....すまん、告白したいって所はガッツリ読んだ」


「.....もうお嫁に行けないですぅぅ!!!」


お前が悪いだろ.....。

タイトルを何も白い紙に書かないのは如何なものだ。

縛り方も紐も同じだしよ。

それはいかん。


「.....ってか、お前、俺の事を好きなのか?」


「.....い、言えないです。そんな恥ずかしい事」


何コレ?

どんな羞恥プレイをしてんの俺?

真っ赤になって胸元に小説.....すまん。

ショーツが見える。


「.....と、取り敢えず.....お茶でも飲むか」


「.....そ、そうですね」


自分小説を置く、佳菜子。

真っ赤に赤面しながら、俺達はお茶を飲む。

って言うか何ちゅう状況だこれは。

俺達はその様に思いながら。

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