第3話 義妹が出来る事

何だこの出会いの仕方は?

突然、出会い頭に美少女にオタクと告白されて。

それから俺は我慢が出来ないとその美少女のトイレ姿を間近で見てしまい。

更にはその美少女が俺の義妹!?


俺は目をグルグル回す。

駄目だ、思考が全く繋がらない。

どうした俺よ!七草優雅!俺は二次元にしか興味が無いんじゃ無かったのか!?

こんな美少女になんて興味なんて!


俺の義妹になりそうな三島佳菜子はリビングの俺の席の前で赤面で俯いて。

一切、声を上げない。

当たり前だ、トイレ姿を間近に見られたのだから。

それでこのザマだから。


「.....恥ずかしいんだな。佳菜子」


「.....えっと.....お父さん.....その、恥ずかしいんだけど.....別の意味で、です」


「恥ずかしいのね。優雅」


「.....別の意味でな」


二人は首を傾げる

当たり前だが、俺はマジで恥ずかしい。

こんな恥ずかしい状態は16年生きてきて初めてだわ。


昔、小学生の頃に小便を漏らして恥をかいたがそれ以上の恥ずかしさが有る。

勘弁してくれよマジで神様。

悪戯が過ぎるぞオイ。


「私達は再婚しようと思う。隠していてごめんな」


「.....う、うんです.....」


「.....」


前代未聞だと思う。

女子のトイレ姿を見て、更にその女子生徒が義妹。

マジでそんじょそこらのラブコメより酷い展開だと思う。

俺は赤面しながら、その様に思った。


「.....大丈夫?優雅」


「.....まぁ.....な」


駄目だ、赤面が止まらない。

相手もそうだが。

と思っていると、とんでもない事を母親と喜久(ヨシヒサ。相手の義父)がそれぞれ仰った。


「.....恥ずかしがらない様に取り敢えず、お互いの仲を深めましょう」


「えっと.....その.....です」


「.....うーん」


「ハッハッハ。恥ずかしがるな。大丈夫だ」


大丈夫じゃ無いんですねコレが。

佳菜子はマジで赤面しているしよ。

PTSDでも発症しなければ良いけど。



「えいっ。そっち行ったわよ!佳菜子ちゃん!」


「あ、来ましたです!」


今は任の会社から滅んだ、W●iでリビングでゲームをする。

コレで交合うつもりか母さんよ.....。

でも佳菜子はやる気満々みたいだが。


「次は優雅。貴方がやりなさい」


「.....え?」


「え」


俺達は顔を見合わせてそして赤面した。

だが、逃げられんだろうと俺はコントローラーを受け取る。

そして目の前のゲーム画面を見る。


「.....よ、宜しくお願いしますです。師匠.....」


「だからその師匠止めろって.....」


俺達はモジモジしながら、ゲームのカウントダウンを見て。

そして一気にコントローラーを振った!

その次の瞬間。

俺は横にずっこけて、横に居た佳菜子のスカートに直げ.....


「え!?」


ドサッ!!!


「.....イテテ.....って.....」


「な、な、な、なぁ!?」


俺の顔は半分、佳菜子の股間に顔を埋めていた。

まさかの事に俺は思いっきり見開く。

その瞬間、バチコーンと思いっきりビンタが飛んで来て。

そして母親と喜久さんがアララ、と言った。


「.....あらら、青春ね」


「青春ですね。ハッハッハ!」


「青春じゃ無いです.....お父さん.....」


股間を押さえながらモジモジする、佳菜子。

流石に小っ恥ずかしかった様ですね.....俺も恥ずいんですけど!

頬が滅茶苦茶に痛いし.....その。

なんか思い出した、忘れていた事を、だ。


「.....そうだった.....俺は止めるぞ。母さん」


「あ、優雅.....!」


突然だが思い出した。

楽しいと思っていて忘れていたが、ここまで俺達を見捨てた父親の代わりに二人三脚で頑張った事を。

赤の他人が介入してくる事を許せない事を、だ。


「.....もしかしてお父さんの事が!」


「違うよ。母さん。だけど.....部屋に戻るわ」


嫌気が指した。

俺はその様に思い、リビングを出る。

そして階段を上って行く時だった。

何かに掴まれたのだ。


「.....?」


「.....し、師匠。私が.....打ったせいですか?」


「.....違う。そして師匠呼ばわりすんなって」


「.....えっと.....じゃあ、私が他にです.....」


違う。

俺は否定して、そして二階に上がった。

と思っていると付いて来る。

佳菜子が、だ。


「.....何やってんだ」


「.....私、師匠が私を遠ざけるのが怖いです嫌です暗いです!」


「.....違うって。だから今は一人にしてくれ」


そして俺は佳菜子の手を振り払って自室に篭る。

取り敢えず、考えを纏めたい。

いくら前代未聞でも.....義妹や義父が出来るのは後に響くと思うから。

俺の気持ちに、だ。

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