第26話:昔の想い出の話

 それからも、夫婦の会話は続き、2011年の東日本大震災の時、「あなたは、腰を抜かんばかりに驚いて、どうしよう」と、私に抱き付いたね。「意外な弱点がわかって、おかしかったわ」と言い、あなたが、「もう日本と脱出しようと、言った時には、気は確か」と言ったわよね。すると、真面目な顔をして、「俺、地震が大っ嫌いで、心臓が止まりそうになるんだと、真面目な顔をして言うのを冗談だと思っていたの」でも、本当だったのね。


 地震の1週間後、日本を出ると言って、地震から4ヶ月後の2011年7月18日に、ポルトガルに飛んできて、移住の手続きをとって、家を買って、全て、実行してしまった。私は、「ただ、あっけにとられて、後をついて行く

のがやっとだったわ」。


 それから2年、こんな事になると、想像できなかった。「まるで、ずーっと、冒険旅行をしている様な感じだった」。でも、「何の問題も起きなかったのは、奇跡的だったね」と笑った。そんな話を、延々としていると、「喉が渇いたので、コーラを持って来てくれ」と言い、それを飲んでいると、空が白々、あけてきた。


そして、「塚田守が、お湯を沸かして、ポットに入れて、暖かいスープかヌードルが欲しい」と言った。「わかった、お湯を沸かしてくる」と、キッチンの方へ行き、20分位して、大きなポットをかかえてきた。


「コンソメ、ポタージュ、コーン、どのスープが欲しい」と聞くので、ポタージュと言い、彼女は、コーンにして、湯を入れて、かき混ぜて、持って来て、パンも食べると聞くので、ジャムのパンが良いと言うと、渡してくれた。


 彼女が、「来年も、こんなロマンチックな、夜のクルーズしたいなー」と言うと、俺も、「夜の星が、こんなにきれいでなので、是非、来たい」と言い、「また、計画するよ」と言った。


 そうして、ゆっくりと朝食を食べていると、子供達が「美味しそーなスープね」と言い、私も「ポタージュが欲しいな」と言い、作って、パンにバターを塗って食べ始めた。臭いをかぎつけて、次々と子供達が、起きて、いろんなスープをつくった。


 最後に、貴子が起きてきて、私も食べたいと言うので、「暖かいから、お母さんと一緒に食べよう」と言うと、次女の歳の美恵子が、私も、と言って、お母さんと2人が一緒に、食べ始めた。美恵子が、「暖かくて美味しー」というと、貴子も、おいしいと言い、「その後、熱い」と叫ぶと、大笑いとなった。


 そして、朝が訪れ、遠くにポルトの港が見えると、子供達が、「もうすぐ着くぞー」と叫んだ。しばらくして、ポルトの港に到着して、ヨットハーバーの近くの店に入り、子供達が、お菓子が欲しいと言うので、買い、ついでに、美味しそうな食料品を買った。お父さんは、喫茶店に入り、珈琲を飲み、眠気を覚まそうとしていた。


 2時間程して、ヨットハーバーにもどり、お父さんは、仮眠をとって、午後4時頃まで寝た。その後、船を移動して、燃料を満タンにして、午後5時に出発しようと言い、母が、夕飯の支度を始めると、リスボンに向かって、ポルトの港を出発した。


 少しして、夕食を食べ始めて、港で買ったサンドイッチを、美味しそうに食べ始めた。お父さんにも、紅茶とサンドイッチののったトレイを渡した。

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