第24話:長距離、クルーズ旅行1

2013年3月、長期クルーズとして、リスボンから、大西洋の真珠、常春の楽園といわれているマディラ諸島のフンシャルに、クルーザーで行く計画を立てた。4月1日出港予定として、何回も会議をして、大型の軽油タンクや必要な追加すべき装備を全て揃えた。クルーは、リスボンのヨットクラブのベテラン7人を中心に塚田守とニコラスの合計9人で出かけた。4月1日、6時に集合して再度、点検して、3人ずつ、3グループに分けて、1グループ8時間運転して、24時間体制で運転できるように考えた。


 その後、8時、リスボンのヨットハーバーを出発、進路を南西に取り、エンジン、高速運転、22ノット41km、24時間かけて、3月2日の朝、8時に出発した。嵐もなく、晴れの天候で外洋に出た。出来るだけ早く到着するように、全速力で、丸1日25時間かけて、幸い大きなトラブルもなく、マディラ島に到着した。到着した日は、港の近くのホテルに1泊して疲れをとった。


 翌日は、マディラ島観光の拠点の町フンシャルまで、ヨットハーバーからバスで1時間かけて移動した。市場では色とりどりの花、バナナやマンゴーなど南国の果物、鮮魚や工芸品などが並び、明るい色彩が島の大自然と相まって美しい。フンシャルで、ホテルを取り、ゆっくり休んで、3泊して、島をめぐる事にした。


 翌日、フンシャルの歴史的中心地とモンテの街をつなぐケーブルカーでモンテへむかった。フンシャルの入り江を臨む素晴らしい絶景を眺めながら乗り物が楽しんだ。マデイラ自然公園は、この島が発見された時からほとんど変わらない月桂樹林に囲まれた絶景で、氷河期以前の姿が残されている貴重な原生林として世界遺産に登録されてると説明を受けた。


 フンシャル市街とちょうど反対側にあるジオラン岬は、世界で2番目の高さを誇る580mの断崖絶壁。ジオラン岬がある綺麗な港町・カマラ・デ・ロボスから岬を見上げても圧巻の景色だった。


 その後、移動した天空の山『ピコ・ド・アリエイロ』は、標高1800m、切り立つ山の頂は、白い雲が広がる絶景で、その雲海の間から尖った山々などがパノラマで見え、原始的な地球を感じることが出来るまさに天空の山で、山頂まで、車で行くことが出来、山頂からの絶景を見て回った。


この素晴らしい景色に、感動して、多くの写真を撮った。その後、最初に泊まったヨットハーバーの近くのホテルに、バスで移動し1泊して、早朝6時、リスボンに向けて来たときと同じ3グループで24時間体制を組んで、クル-ザーを運転したが、帰りは、1度経験したので、夜の満天の星を眺めながら、和やかにクルージングを楽しんで、翌朝、朝8時頃にリスボンの港に着いた。


 一方、為替で、2013年4月に1豪ドル104円になったので、5250万豪ドルを円に両替し54.6億円となり、残金が507万ユーロ、54.6億円となった。その後2013年8月に、1米ドル97円になったので、48.5億円を米ドルに両替し5000万米ドルになり、残金が5000万米ドル、507万ユーロと6.1億円となった。


 カルルーチ・アメリカンスクールの父母会や授業参観日に行くと、日本人の現地駐在の子供達も多く、日本人会をやっていたが、塚田一家は、特に、その会ばかりに出る事はなく、自分の子供達のクラスメイトと仲良くなるケースが多く、自然とポルトガル語を覚えていった。


 運動会や、歌の発表会もあり、年に数回は、出かけて、子供が多いので、参観日が同じ日になると、塚田守と奥さんが2つの別の行事に参加して、出来るだけ、多くの催しに出席した。


 この頃、インターネットが普及して、メールで、やりとり出来るようになり、スカイプというパソコンを使った無料電話や、ビデオ電話という、顔を見ながら、話せる様になり、遠くに住んでいても、週に1回は、日本に住む、父の塚田一郎にスカイプ電話した。


 2013年、夏休みが始まり、2013年6月18日、塚田家全員で、ポルトまで、1泊のクルーズの旅に出た。この日は、低気圧もなく、海も静かで、絶好のクルーズ日和だった。食料、水、ジュース、野菜、果物、パンなどを多く積んで、6月18日、朝8時に出航して、一路、北上して、昼過ぎには、ナザレの沖を通り、夜6時には、ポルトのヨットハーバーに到着した。


 その近くの宿に、泊まり、翌朝8時出航し、同じ様に、帰っていくと、今度は、夜通し、クルーズして、夜空の星も見たいねと、長女の和美ちゃんがいった。すると、奥さんの美鈴さんも、きっとロマンチックで、良さそうねと、笑いながら言った。7月にも、夕方出て、ポルトに行こうかと言うと、そうしようと言う声が多く、実行した。

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