第8話 かけ

朝起きた・・・

いつもよりも早目に・・・


かえではいつもより、必ず僕より先に起きる。

そう、それが午前8時でも、午前6時でも・・・


まるで、見ているかのようだ・・・


洗面所で、歯を磨き、顔を洗う。

この時は、まだ半分寝ている・・・


あれ?今、鏡に何か写ったような・・・

何だか、女の子のようだったが・・・

気のせいか・・・


でも、少し微笑んでいる。

背中越しにこちらを振り向いていた。

懐かしい気がする・・・


前にも会った事があるような・・・


もう一度、顔を洗う。

女の子はいなかった・・・


気のせいか・・・


そう思い食卓に向かうと、朝食とお弁当が用意されていた。


【冥くん


今日は、早いね。

感心、感心。


いつものように、作っておいたよ。

冷めないうちに食べてね。


それと夜食、ありがとう。

嬉しいよ。


後、かえでと呼んでくれてありがとう。


じゃあ、お互いお仕事がんばろうね。


かえで】


いつもと変わらない朝。


しかし、いつもと変えてみた。

それは、少し時間が空いたので、昼ごはんを作っておいた。

自分のではなく、かえでのために・・・


そして、こうメモ書きしておいた。


【かえでへ


いつも、ありがとう。

時間が空いたので、昼飯を作っておいたよ。


もしも、帰宅していたら、

冷めてると思うので、温めて食べて下さい。


冥】


もし、この昼飯が、食べられていたら・・・

僕はそれに、かけてみた・・・




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