第66話:2015年・夏の北欧旅行1

 2015年7月20日に、成田から、お昼頃に飛び立ち、約10時間で、フィンランド、ヘルシンキ空港に午後3時頃到着。ヘルシンキで予約していたヒルトンホテルにチェックインして、旅の疲れもあり、シャワーを浴び、軽い夕食をとって、早めに床についた。翌日は、ヘルシンキの名所巡りをする事にした。


 まず、フィンランドの首都ヘルシンキは、陸地面積、210km2。東京山手線内の面積の約3倍の広さで、その中に64万人が暮らしており、一国の首都にしてはとてもコンパクトで落ち着きのある、穏やかな港街。バルト海に面しているので、港の先に浮かぶ、のどかな群島も街の一部。景観法で建築物の高さが制限されているため、中心街にすら摩天楼はまったく見当たらず、道幅も広いので、狭さを感じる事はない。建物の外も内も驚くほど静かな印象を受ける。


 最初に訪れたのは、ヘルシンキのシンボル的な建物、ヘルシンキ大聖堂、この建物は、1812年にロシアによって首都がヘルシンキに移された後に建設が始まり、1852年に完成した、天空に浮かぶような美しい白亜の巨大聖堂。今も昔もこの街を優しく見守るシンボル的存在。聖堂を持ち上げる広大な階段は市民の憩いの場としても有名で、夏場は誰もがアイスクリームを舐めながらここに腰掛け、日光浴を楽しんでいる。隣接した元老院広場は、御影石が敷き詰められたフィンランド最大の市民広場で中央には雄々しいロシアの皇帝アレクサンダー2世の像がそびえ立っています。次に、海に浮かぶスオメンリンナ島へ向かった。


 ヘルシンキ・エテラ港から市営のフェリーボートで15分と気軽に行き来ができる、世界遺産に指定された群島、スオメンリンナ。ここは、かつてフィンランドを統治していたスウェーデンが、ロシアに対抗するため建設を始めた軍事要塞。岸辺には勇ましい砲台や潜水艦、壁跡などが残り、要所を訪ね歩くだけでも歴史を肌で感じられる。次に、訪れたのは、ウスペンスキー寺院で、ヘルシンキ大聖堂から近い、沿岸の丘にそびえ立つ、もう一つのランドマークが、北欧最大のロシア正教の教会、ウスペンスキー寺院で、黄金の玉ねぎ屋根が乗ったレンガ造りの教会内部は、装飾的できらびやかな空間が広がっていた。ここでは、規律の厳しいロシア正教の教会の伝統を重んじて、肌の露出を避ける、教会内では帽子を取るなど、服装マナーには気をつけた方が良さそうだ。


 翌日は、テンッペリアウキオ教会を見学した。ここは、なんと岩盤を繰り抜いた地下空間に埋もれる形で実現した、近代建築の教会。外観は、変哲のない岩場にこんもりとドーム屋根が覗かれるだけで、誰も教会だと気づかないが、中に入ると、岩肌がむき出しになった、円形空間に、スリットが地上からの光を降り注ぎ、神秘的な雰囲気の教会。


 その後、空腹になったので、素敵なカフェはないかと、探すと、カフェ・アアルトを見つけた。この建物は、世界的に有名なフィンランドの建築家、アルヴァ・アアルトの設計によるもので、 小さいお店だが、大理石のテーブルやブラックのレザーチェア、ゴールドのペンダントライトもすべて彼が設計したもの。映画「かもめ食堂」の舞台となった所で、一番人気のブルーベリータルトと珈琲を食べた。

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