第17話:中村さんの葬儀と遺産相続

 1995年1月25日、午前10時から熱海の崇福寺で熱海の歌姫、中村小夜子

さんの告別式を執り行いますと、友人代表・石津健之助と書いて、新聞に載せ、

連絡先の電話番号を書いた。すると、数多くの電話がかかり、多くの人が、感心

を持ってくれた。告別式当日は、快晴の日で、9時半頃から、続々と人が集まり、

石津三千子さんと管理人さんが受付をして、石津健之助が喪主として、告別式を

執り行った。同じマンションの加納夫妻も来られていた。受付では中村小夜子さん

の歌を聞いて、励まされた、感動したとか言う、参列者が多く、香典も多くもらい

、石津夫妻が、中村小夜子さんの、お墓を寺の住職に言って、建ててもらった。


 葬儀が全て終わり、手伝ってもらった人達に、お礼を言って、告別式を終えた。

 翌日、中村小夜子さんのお墓の前で、石津夫妻が、無事に、葬儀が終わりました

よと、手をあわせると、まるで、お日様が、喜んでいるかの様に、雲間から、眩しい

ばかりの光が差し込んだ。きっと、中村小夜子さんが、喜んでくれているんくれて

いるんだわと、石津三千子が言うと、石津健之助は思わず、目に涙を浮かべて、

三千子をしっかりと抱きしめた。その後、家に帰り、翌週の月曜日、石津健之助が、

遺産の明細と、手続きを取ってくるからと、奥さんに言った。


 駿河銀行・熱海支店で、遺書を銀行員に見せ、貸金庫を、空けてもらうと、ダイヤ

モンドとプラチナの指輪、ブルーサファイア、ルビー、エメラルド、大粒の黒真珠

のネックレスと10kgの金のマリア像が入っていた。預金通帳には3255万円

と記帳されていた。全額を、石津健之助の三菱UFJ銀行に送金してもらった。


 貸金庫の宝石類は、持参した布袋に入れて所定の書類にハンコを押してもらった。

 銀行で金の保管について聞くと金は専門の田中貴金属さんなどに保管して高くな

ったら買ってもらう方法が一般的みたいですと、教えてくれた。そこで田中貴金属

に話を聞くと、保管料が年間1万円で、買い取り価格は、金価格に比例して動くの

で、うちで保管して、売る方が安心ですよと言った。その日の晩に、奥さんが帰ってきて、宝石を見て、何て、すごいのと驚いていた。これらの宝石、使うと聞くと、いや、残しておいても仕方ないから、金以外は、売りましょと言った。


 そこで、金の保管と売却方法について、聞いたこと話すと、明日、東京へ行って、金のマリア像を保管してきて下さいと言われ、一緒に宝石も売ってきて下さいと言われて、翌日、東海道線で東京・銀座の田中貴金属へ行き、保管手続きなどをして、宝石の買い取りの店を3件程、回って、一番高い値段の店に、ダイヤモンドとプラチナの指輪とブルーサファイア、トパース、大粒の黒真珠のネックレス合計78万円で売ってきた。家に着くと、既に、奥さんが帰ってきて、78万円で売れたというと驚いていた。その後、石津健之助の口座に3255万円が振り込まれ、資産が、1億7千万円と10kgの金のマリア像だけになった。

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