第12話:石津健之助が釣りを教える

 1993年、8月12日、10時に、3人で家を出て、カラマラン・クルーザー

ヨットに乗って、石津健之助が、いつも釣っている場所の近くへ、案内して、釣り

を始めた。釣りの餌を、石津が加納夫妻の釣り針につけてやり、釣りを始めると、

カマスが、最初につれて、次に銀色に光る太刀魚が釣れた。それを見た、加納和美

さんが、きれいな色と、驚いていた。そのうち加納幸夫さんの竿に当たりがあり、

ぐいとばかりに、急に釣り竿を引き上げると、魚が針から外れてしまった。


 いつもこうなるんだと言うので、石津が、上げるのが早すぎますと言い、今度、

私がつり上げる時をよく見ていて下さいと言った。10分位して、当たりがあり、

加納幸夫さんを見ながら、完全に針を飲み込むまで、少し待つんですと言い、数分

待って2回目の魚の引くタイミングに合わせて、最初は、ちょんと軽く竿を上げて、

魚がかかったのを確認して、上げて見せて、大きめの太刀魚を釣り上げた。


 これを見ていた、加納夫妻が、これが、魚をのせるという事かと言うので、その

通りですと答えた。その後は、コツを掴んだようで、カマス、太刀魚を次々に釣り

上げていき、3時間ほどで、10匹以上の大漁で、釣りを終えた。熱海のマンショ

ンに戻って、石津健之助が、太刀魚の煮付けとムニエル、フライを作り、カマスは、塩焼きにした。そうして、奥さんが帰ってきた7時頃に、中村小夜子さんを呼んで、3人で今日釣ってきた魚の料理を出し、ビールを飲みながら、美味しくいただいた。


 そして、加納夫婦に、カラマラン・クルーザーヨットで、魚釣りに誘われた話をすると、奥さんが、私は、船に弱いから勘弁してねと、笑いながら言った。お酒も

進み、話は、海外旅行の話になり、中村小夜子さんのヨーロッパ旅行と、アメリカ

のハワイ、ラスベガス、マイアミ、サンディエゴ、シアトルの話になった。その時、

石津三千子さんが、オーストラリア旅行の話をすると中村小夜子さんは東南アジア

と南半球、オーストラリア、ニュージーランドには行ったことが無いと言い、でき

たら、一度行ってみたいと話したので、石津三千子さんが、素敵な所で、自然も町

並みも、きれいだと話した。もし良かったら、出かけるときには、声かけて下さい

ますかと言ったので、わかりましたと答えた。そうして、中村さんも部屋に戻っていった。


 そうして秋風が吹き、やがて寒い風になり、1993年12月を迎えて、12月

24日に、近くのホテルのレストランで恒例のクリスマスパーティーを開き、今年

は、新たに、加納夫妻も、お誘いして5人で、盛大にクリスマスパーティーをして、

それぞれ好きな、シャンペンやワイン、ブランデー、ビールを飲んで楽しみ、少し

して、中村小夜子さんが、マイクを持って、歌を披露させていただきますと言って、

懐かしの名曲を歌ってくれて、宴は盛り上がって、加納夫妻もシャンソンや洋楽を

歌い、石津にも歌ってと言うと、言ったが、笑いながら、私たちは、オンチで聞き

専門で結構ですと笑いながら答えた。そうして夜9時半を過ぎて、お開きとなった。


加納夫妻が、中村小夜子さんに、本当にお上手ですねと言うと、以前、女優の端くれをしていたというと、何だプロなんですかと言い、加納和美さんが、何かどこか

で見たような気がしていたんですが、映画で見たんだわーと、驚いていた。

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