第7話
ダメだったか・・・そっかぁ。
もともとご縁がなかったのかもね。逆に良かったじゃない、早めにわかってお別れもできてさ。
そんなさぁ、恥ずかしいなんて思わなくていいわよ、勇気を出して自分から幸せを掴みに行こうとしただけじゃない。あんた、最高にかっこいいわよ!
だから泣かないでよ、逆プロポーズはうまくいかなかったかもしれないけど、また新しい幸せを捕まえるスタート地点に立てたわけじゃない?これからよ、これから。
・・・遊びじゃないのに五年も付き合ってきたなら、あんたへの愛は本物だったんでしょ。愛してはいるけど、あんたの人生を背負える自信がないって、はっきり言った彼は正直な良い男よ。彼の苦しさも分かってあげなきゃねぇ。
今はそういう自分のことだけで精いっぱいっていう男性多いっていうじゃない?一昨日くらいにテレビでもやってたわよねぇ?キャンティ。
女にとっても男にとっても結婚って大変なものなのよ、きっと。他人の人生に責任を待たなきゃならないって、相当なプレッシャーよ。子どもが生まれたりしたら更に責任は重くなるだろうし・・・。
確かに、時間は戻らないわよね。貴重な三十代を捧げたのに・・・かぁ。でもあんたまだ三十六才でしょ?チャンスはあるわよ!死に物狂いでもう一花咲かせてみなさいな。次はきっと大きな花が咲くわよ。なーに、どこで咲いていても花は花。花壇に咲いていても道路の片隅で咲いていても花は美しいわよ。境遇が違っても女の人生っていつも輝いているものよ。
大丈夫よ、あんたちゃんと輝いてるもの。自分で自分を幸せにしてやろうっていう生命力に溢れてるもん。路傍に咲いてる花に気付くみたいに、頑張って生きているあんたに気付いて惹かれる男がきっと現れるわよ。その日が来るまで、女を磨いてどーんと構えてなさいな!!
ねぇ、おなか空いてない?残り物でサンドイッチでも作ろうと思うんだけど・・・。食べていきなさいな、腹が減っては戦はできぬっていうでしょ?
結婚は戦いなのよ。然るべき時が来るまで力を蓄えとかなきゃね。ほら、もう泣かないで。今日は酒じゃなく、熱いコーヒー飲んでいきなさいよ。内側から逞しく元気に輝いてないと上手くいくものも上手くいかなくなるわよ!
さぁーて、いつも以上に愛情を込めて作って、あんたの涙を吹き飛ばして見せるから待っててよね!!
スナック『紅』 千秋静 @chiaki-s
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。スナック『紅』の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
通り魔さん、この人です/千秋静
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 18話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます