第16話 若者へ

貴方達は、私(達?)より優秀です。

それは間違いありません。

貴方達は、私(達?)のことがよく見えています。

だから、「お前の話なんて聞いてらんねぇよ」、そう思うでしょう。

だけど、もしよければ聞いて頂きたい。

もし争いが起こったとしたら、貴方達より劣る私(達?)は、おそらく負けないでしょう。

何故ならば、私(達?)は貴方達より覚悟があります。

それは、どんなに時代が変わろうとも不偏ともいえる経験というものです。

私(達?)は、貴方達にあっさりと切り落とされるために腕を差し出すでしょう。

けれど、がむしゃらに小汚なく貴方達の命を奪うでしょう。

それが経験です。

だから思うのです。

どうか、つまらない私(達?)の部分的な言の葉に耳を傾けてください。

そうすれば、私(達?)は安心してこの道を譲ることができます。

そうすれば、貴方達は世界でも屈指の人々になれるでしょう。

今後ますます希薄になっていくおそれのあるこの時代。

それは仕方のないことだと思います。

身を守るため、仕方のないことだと思います。

けれど忘れないで頂きたい。

先人の方々の屍の上に成り立っている幸せや不幸というものを――。


なんてね。

酔っ払いのつまらない戯言です(笑)。

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