第36話スターシード海鮮丼

「キャプテン・トリン」


「どーしたの?」


「カタパルトデッキで」

「シャムロッド・ブルーベリーが絶叫しています」


「え、何かあったの?」



「コラーッ!!」

「そんな速度で突っ込んでくるなあ!!」


「ななな、何かが来るわよ?」


「どれどれ・・・」



「これ6式戦だわ・・・」


「ななな、何それ?」


「まだ試作機の極秘機体が何でこんなとこに居るの?」


「ステンレスちゃんも何でそんな事知ってるの?」


「いけませんか?」


「ぜ、ぜ~んぜん!バッチグ~よ?」



「大尉殿!危ないから下がって下さい!!」


「女子高生!助けてええ!!」



ドッカーーーン!!




「カタパルトハンガーに甚大な被害発生」

「自動消火、ハッチを閉じて隔壁閉鎖」

「サクラ・ストラトスに緊急処置を頼みます」


「シャムロッドは無事?」


「はい、寸前でケイト・ケチャップマンに救助されました」


「カスタネット艦長」

「今頃、通達が来ましたよ」


「今日、新人が配属」

「LCの擬人ですよ」


「え、えるしい・・?」


「男ですよ、お・と・こ・・・」


「男の擬人なんて居るの?」


「カスタネット艦長はなんにも知らないんですね?」


「ご、ごめんなさい・・・」



戦闘ブリッジに全クルーが集まる。

新人の男が直立不動、敬礼を崩さない。


微動だにしない。


逞しい身体にピッチピチの宇宙スーツが気持ち悪い。

化石ヘアの、角刈りとモミアゲが生理的に拒否反応。

この太すぎる眉毛は、戦闘用カモフラージュかしら。



「艦長殿!!本日配属されました」


「擬人コード・LC125CC」

「ダン・テッカ!であります!!」


「うわ、暑っ苦しいわこの男」「おねーさま」

「こんな体育バカはこの船には要らないわ」

「ダストシューターに入れましょう」


「大尉殿、自分も手伝います」


ケイトとシャムロッドがテッカの両脇を抱えて引きずる。


「な、何しやがる!!このガキども!!」


「あなたの配属は知っています」

「これがウチの歓迎だと思って下さい」

「我がシップへようこそ」

「艦長のトリン・カスタネットです」


「ステンレス・ノーマッド副長です」


「おねーさま!こんな変なヘアの男なんか捨てましょうよお!」


「自分も同感であります!!」


「サクラはスキ」


ポッ・・・



なんかまた変なのが増えたわね・・・


「女だからって威張ってんじゃないのだワンッ!!」


「!」


「あーー!!」

「宇宙ゴミが何でここにいるのよ?」


「失敬な!!」

「拘束くらい光速で抜けるのだワンッ!!」


「・・・あんた光速なの?って遅いわねえ」


「もうカンベンならんワンッ!!」

「シャッあ~~!!」


バキッ!!


「きゅぅ・・・」


「無力化に3度成功・・」


「か、カスタネット艦長」

「ロボ犬も飼うんですか?」


「うーん、ステンレスちゃんお願い!!」

「バカな子ほど可愛いのよきっと!」



「おお!宇宙男児は自分だけではなかった!!」


ぶんぶん!!


ケイトとシャムロッドがふっとばされた。


「ふぎゃ!」


「い、いたたた」



「うーん、力仕事にはコイツが必要なのねきっと」



今日は平和な宙域ねえ・・・

アステロイドベルト領域に入るのに。

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