第22話砂の惑星ネコじゃらしの恐怖!

やっと砂の惑星「ネコジャラシ」に着いたけど。

この星で重要人物がお待ちかねなんですって。


左記の戦い。

500隻のトモダチ連合艦隊との激戦で。既にミドルシップはポンコツのガタガタ。今度、敵に襲われたら勝つ自信はない・・・

次の補給ポイント衛星ダイタンまで持つかしら?

絶えず砂嵐が吹き荒れる黄色い惑星ネコジャラシ。

地表は砂漠しか見えない、こんな星に人が住んで居るの?

サクラとケイトが空港内シップで待機、ていうかお留守番。

私とマルさんとシャムロッドの3人で地下巨大都市への入口ゲートをパス。


「うわああ・・・」

「艶やかなイルミネーションの小ぎれいなアーケード街が」

「何処までも続いてる」

「ねえ、ココって地下100階くらい?」


「違うわよおねーさま」

「地下99階よ」

「もっとハイパーエレベータで、最下層まで降りるわ」


「え?最下層って」


「地下300階よ!おねーさま」

「買い物なんてしてる暇もカネもないわよ?」


「うひゃ」


「マザー・レインからのメールによると」

「重要人物が情報を教えてくれるそうよ」


「誰なのその人って・・・」


「名無しさんよ!」


「・・・・」



ハイパーエレベータで最下層まで到達した。

降りる時に、録音音声に1000小判を請求された。

電子クレジットで払ったけど、物価が高いわね。


最下層のフロアは何も無い、と言うか真っ暗で人の気配もしない。


「ねえ、ホントにここで良いの?」


「いいのよ!おねーさま」

「もうレーダーで強制誘導されちゃってる」

「なんかヤバイ雰囲気になってるわ」


真っ暗な細い通路をくねくね曲がりくねって、吸い寄せられる。


「!」


イキナリ視界が戻った。

明るい照明がダダっ広いフロアを照らす。

眼を細めると、目の前に。

約百人の武装集団が銃口を向けている!


「げ!」

「わ、罠なの?」


「今頃分かったの?」

「バカなオンナ・・・」


「あなたは誰?」


最前列でふんぞり返るこの男は、何処かで会ったような・・・


「そうよ、シスター・トリン」

「擬人コード・LP300TT」

「ヤミの敵・・・」

「アタシたちの天敵!!」


「うっひゃあああ」


このオカマ言葉を使う高粒子ビジネススーツ男は・・・

て言うか。このスーツはクリスタルチップに記憶されている。


「スクラッチ・スクワット!」

「オモシロイ男・・・」


「む、ムカつくわこのオンナ!」

「あなた達!こいつらを消しなさい!」


武装集団がレーザーライフルを構える。

よく見ると、装備もライフルも最新のバージョン。


「おねーさま!こんな奴ら軽くヒネってあげる」


「シャムロッド・・・」


チャキッ


「!」


「マルさん!」

「何をしてるの?」


マル・マールが私のボデイの腰にレーザーガンを押しつけてる。


「ひゃあっはははは」

「トリン・・・お前は本当にバカな女だな」


「ま、マルさん・・・何を言っているの」


「お前は最初から最後まで気がつかなかったな?」


「え?」


「どんな悪人もチビッて逃げ出す」

「無敵のシスター・トリンが・・・」

「愛する男の前では、ただの従順なメスイヌだなあ?」


「!」


「ひゃあーはっはっはっはっ!!」


「マルさん、あなたは・・・」


「そうさ!トリン。俺はマル・マールではない!」

「本人はもうとっくに消してあげたよ?」


「!」


「俺がヤミ組織のウラ幹部、透明部長1号だ!」


「おねーさま・・・気を確かに持って」

「生きて帰るのよ・・・」



わなわなわな


私のボディが怒りでグリーン色に光りだした。

つり目の眼がさらに釣り上がる。

緑色の瞳から涙があふれだし、深緑色の長い髪の毛が逆だって電気スパークを放つ。

全身からグリーンのオーラ波動が解き放たれる。


「純情可憐な女心をもてあそぶ、宇宙を漂う粗大ごみ!」

「透明部長1号店!絶対に許さない!!」


「ふ・・・」


バキュン!


「!」


「あ、あれ?」


信じられない!・・・私の胴体に風穴が空いちゃったわ。


「信じられないみたいだなメスブタ」

「そうさ!お前の情報もデータも恥ずかしい写真も」

「全部盗んでやったよ?」


「おねーさま!」


隣でシャムロッドが泣いてる・・・


「もうお前の宇宙一の装備も、使えないなあ」

「何世紀も生きたお前も、やっと店じまいだな」

「愛・プログラムに手を出すお前が悪いんだよ?」

「お前は終わりだ!!」



シャムロッドの手を握る。脳回路に直接語りかける。


「死ぬ気で逃げるわよシャムロッド」

「あなたの空間跳躍だけが頼りです・・・」

「今すぐ私をかっぱらいなさい!」


「任せて!おねーさま!」


「!」


「殺せえ!」


武装集団に蜂の巣にされる寸前に、私とシャムロッドは。

空間跳躍に入った。

私の意識がダウンしてゆく・・・



涙が止まらない。辛くて悲しい・・・

これは失恋にカウントされちゃうのかしら?



「おねーさま、きっと宇宙一の男が見つかりますよ」

「ほらほら、笑顔がおねーさまの最強武器ですよ?」



夢の中でシャムロッドに語りかけられてる。


ぐっすん・・・


シャムロッド、あなたは駅弁売りの売り子なの?

それとも、花屋さんのアルバイト店員?



すべてが真っ白・・・無なの?




「はっ?」


「トリンさま気がついた・・・」


「艦長殿、うなされてましたよ?」


シップのメディカルルームに居る。

もうベットに固定されてリペア手術されている・・・


「シャムロッド大尉が戦闘指揮を代行しています」

「ポセイドン殿に命令しています」



「ポセイドンちゃん!」

「フラップをおろして!」

「車輪ブレーキ解除!」

「アフターバーナー点火!」

「スロットル全開でこの宇宙域を離脱して!!」


「シャムロッド・キャプテン代行」

「意味不明ですが了解しました!」




砂の惑星ネコジャラシ・・・恐怖の星だった。

シャムロッドがオミヤゲに名産の猫じゃらしを隠れて購入した。



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