第17話惑星カニメシの日常

いま帰宅途中。

エアタクシーに乗ってミドルシップが駐機してる、

民間宇宙港へ向かってるんだけどね・・・



「・・・・」


「おねーさまどーしたの?おトイレ?」


「運転手さん、あのお店の前で停めて下さい」


「おねーさま!寄り道してる時間なんてありませんよ!」


「ごめんなさい!チョット見たくなったの」


「うちにはジュエリーを買うお金なんてありませんよ?」


バタンッ!


「・・・・・」


「・・・おねーさま、イカれちゃった」

「しゃーないわ、あそこの立ち食いステーキで食ってましょ?」

「あんた、アホンダラー持ってるわよね?」


「はい、先輩」


「マルさんもいい?」





「いらっしゃいませ」


「ちょっと、光速牛乳ダイヤを見せていただけるかしら?」


「はい、少々お待ちください・・・」



・・・なんなの一体?


ハニカミシステムから、

この貴金属店にガサ入れしろって強制命令が来たけど。

私はポリスじゃないし・・・

このハニカミシステムって何なのいったい?


「・・・お客様?」


「失礼。ワタクシ、ダイエット中なもので・・・」



うわああ、ケタが多すぎて数えられないわ・・・


「べ、べらぼー!!」


「は?」


「い、いえ失礼。おほほほほ」


「お客様、お目が高い!」

「ベランボウ・ブランドは当店でもおすすめでございます」


「うっひゃあああ」




「いかがですか?ご装着の感じは」


「て、てやんでい!!」


「は?」


「い、いえ何でも。おほほほほ」


うわああ・・・奥の部屋の工房が見えてんのは何故?


・・・ハニカミが頭脳サーキットに転送してやがる!


「御免なすって!!もう寝台特急に乗る時間ですので・・・」


「はい?」


バシュン・・・チロリロリン・・・



屋上から天井を突き破って侵入しちゃった私・・・


ドッカーーン!!


「うわっ!何だこの女!!ワンダー・ウー○ンか!?」


「ご、ごめんなさい!」

「あなた達を痛めつけます!!」


「おい相棒、イカれてるぞこのオンナ・・・」


「丁度いい、可愛がってやれ!!」


「私が可愛がります!」


「うへえええ、久しぶりの良いオンナだああっ!!」


「フンッ!」


バキッ!


「はあっ!」


ドゴスッ!



「・・・人間て簡単にくたばるから大変」

「は!?ぴ、PCを・・・」



「うわあああ・・・」

「ハニカミシステムのデータが全部盗まれてる」

「トリンホトニクスが完全に狙われてるわ・・・」


バタンッ!


「!」


「困りますねえ、お客さん」


「あわわわわ・・・」


さっきの店員に、

レーザーピストルで威嚇されてるけど・・・撃って欲しい・・・


「撃って下さい!!」


「こ、このアバズレぇっ!!」



「?」


「あれ?」


店員さんの腕が変な方に曲がってる・・・

ピストルが無くなっちゃったわ!


「うわああ!」「このオンナ、バケモノだああ!!」


「ああ!」「逃げないで下さいぃ!!」



「バケモノなんて言われたの、産まれて初めてだわ」

「・・・・・」

「産まれたのかしら?私は・・・」


「ああああ!事後処理メンドクサ!」



「ハニカミシステムって・・・何を考えてんの?」





「おねーさま!遅いわよ!」

「もうステーキ80皿食べちゃったわ!」


「サクラは200皿・・・」


「僕は2皿です」


「ご、ごめんなさい!」

「帰りましょう!」




「ポセイドン、大気圏離脱して次の座標へ向かって下さい」


「了解しました、キャプテン・トリン」


ボボボボ・・・ドバビューーン!

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