第15話惑星カニメシ

惑星カニメシで、とりあえず遊ぶんですって。


「うわあ、砂嵐が酷くて何も見えないわよ」


「おねーさまバッカじゃないの?」

「レーダーで見なさいよ」


「あ、そっか」

「なんかフワフワしてて重力に適応できない」

「あ、脳回路にインフォメーションセンターから来たわ」

「え、と・・・ねえシャムロッド」

「このエアプレーンフェスティバルって何なの?」


「おねーさまコレよ!コレっきゃネーわ!」

「このフェスティバル、誰でも参加出来て」

「優勝者には賞金3億アホンダラーよ?アホンダラー!」


「なにそれ?」


「3億アホンダラーもあれば」

「母星チーズで死ぬまで遊んで暮らせるのよ!」


「シャムロッドあなた、自分が人間だと勘違いしてるわよ」


「どーでもいいから、すぐにエントリーして!」


「私も参加しますトリンさま」


「え、サクラちゃんも飛行機に乗れるの?」


ポッ


またうつ向いて頬を赤らめたわこのオカッパ頭は・・・


「僕は、どーしようかな」


「おねーさま!」

「副座式(2人乗り)化石時代戦闘機のレースにしましょうよ」

「この機体は博物館の展示飛行の仕事で乗った経験があるから」

「勝てるわよ!」


「あなたそんな仕事もしてたの?」


「パイロットライセンスはメシのタネよ、おねーさま!」




「うわああ」

「派手なイベントねえ・・・」

「ちょっと大げさすぎない?」


「いいのよおねーさま」

「客からふんだくったブンで還元してるのよ」


「ねえシャムロッド、このジェット戦闘機って化石飛行機」

「ホントに飛ぶの?」


「きゃっはははは!」

「おねーさま!おっかしい」「飛ぶの?だって!」

「ひーっひっひっひっひっ!」

「く、くるしい・・・」



「サクラちゃんが操縦してマルさんが後ろなわけ?」

「トリンの立場はどーなるのよ」


「いーのよ!」

「シグナルのカウント中だから、おねーさまは黙ってなさい!」


ビッビッビッ


「うわ何こいつら!フライング・スタートだわ!」

「もう滑走路を滑走してやがる!」

「行くわよおねーさま!」

「スロットル全開!」「アフターバーナー点火ああ!!」


「うわあああ」


ビリビリビリビリ・・・・




「何あのチビ!なんて機動をシてやがるの?」


「どー言うこと?」


「未来予測よ!」


「何それ?」


「その時が来てからでは遅いのよ!」

「高速で飛ぶんだから、先に入力をしないと」

「色んなモノがロスされちゃうの」

「無駄飯食らいよ!」


「うひゃああ」


「シャムロッド、よくコース案内表示が見えるわね」


「おねーさまバッカじゃないの?」

「動体視力も知らないの?」

「化石の人ですかあ?」


ボッ・・・ボ・・・・


「ギャー!」


「おねーさま!今すぐにベイルアウトすんわよ!」

「そこのレバーを引けっ!」


「え、これ?」


バシュッ!バシュッ!


「うひゃあああ」

「シャムロッド!何で私達脱出してんの?」


「機体を見なさい!おねーさま!」

「爆発すんわよ!」


・・・ボンッ!・・・チバチバチ・・・・


「え、何あれ?」


「あたしじゃなかったら今頃死んでるわよ?」




パラシュート降下して。脳内レーダーを頼りに砂漠を歩く。

近くのレストランでランチですって。



シャムロッドがカニメシを食べてる。


「あれがジェット機関の恐ろしさよ!」


クッチャクッチャ・・・もぐもぐもぐ・・・


「爆発する時は僅かな前触れがあるの・・・」

「工場生産から何百年経ったか知ってるぅ?」

「大体、ロクに整備もしない機体にお客を乗せるなんて」

「やっぱ、この惑星には殺意がみなぎってるわ!」


「しゃ、シャムロッド」

「何で食事してるの?」


「おねーさま、バッカじゃないの?」

「口から入った料理は全部」

「ボディ内のダストボックスに貯められるから」

「後で生ゴミに捨てるのよ!」

「味覚機能で味を楽しんでるの!」


「うひゃあああ」



結局、サクラとマルさんの機体が優勝して。

賞金の3億アホンダラー貰っちゃったの。


あのオカッパ少女には謎が多すぎるわね。

マザーに聞けば何か教えてくれるかも。

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