第14話メモリー

ここは・・・



砂漠が広がる。

あたり一面、機械の残骸と人間の死体だらけ。

あの向こう・・・

見えてきた。


人間の死体が多すぎて山に成っている。

ここだけでも500体くらい、捨てられているみたい。

ここは地獄なの?・・・この世の地獄。


「・・・・・」


私は、何年も機械化部隊と戦ってきた。人を守るために。

でも、何で人は簡単に死んでしまうのだろう?

この「悲しい」・・・という感情は何?

もう私のボディは長期間の激しい酷使で各部がガタガタだ。


身も心もボロボロ・・・人のように・・・人?


「・・・・・」


この死体・・・この子供の死体を知っている。


「・・・ト・・ト」


「・・・トモコちゃん・・」


「・・・・・・」


「うわーーんっ!!」


私は子供の死体に抱きついて泣き崩れてしまった・・・



まただ・・・意識が飛ぶ・・・時間を跳躍する・・・






「おねーちゃん、擬人さんでしょう?」

「匂いでわかるよ?」


「え?」

「私のボディそんなに臭い?」


「あははは!」

「おねーちゃんおもしろ~い」

「あたしはトモコ!」「未来のキャビン・アテンダントよ?」

「宇宙を股にかけちゃうの!」


「私はトリン!擬人コードLP300TTです」

「トリンはあらゆる暴力から人を守ります!」


「あっははは!」

「おねーちゃんは面白い擬人さんだねえ?」


「あら、トモコちゃんだってオモシロイわよ?」

「あれ」

「トモコちゃん、向こうから沢山の人が走ってくるけど・・」


「うん、逃げなきゃ!」

「向こうにある地下シェルターへ非難するの」

「おねーちゃん、あいつらやっつけてね」


「機械化師団のこと?」


「うん、お父さんお姉ちゃんが殺されたの」

「シェルターで先に避難したお母さんが待ってるから」


「・・・・・」


「バイバイ、トリン!」


「バイバイ、トモコちゃん」




また・・・


まるで意識が吸い寄せられるように時間に引っ張られる。




機械兵器軍団と戦っている最中だわ・・・


「ふんっ!」


ブンっ!


ゴゴンッ!カクッ!


ドッドーン!!


「ダメだわ、いくら破壊してもキリがない!」


「こいつらの大元を潰さなきゃダメなのよ」


マザー・ロンドに再び合わないといけないわ。


ドンッ!!


私の頭がレーザー砲でふっとばされた。

でも耐衝撃エネルギーフィールドが守ってくれたわ。


大丈夫・・・


とりあえず、こいつらを片付けないと。

今日中に終わるかしら?





呼んでいる。


実時間の私が呼んでいる。


帰らなければ・・・




ブゥゥゥン


ピシィ・・・


意識がボディにフィードバックされる



視界が戻る。


「う・・・」


「あー!」

「おねーさま!」

「何で眠ってたんですかあ!?」

「居眠りする擬人なんて、おねーさまだけですよー?」


「ごめんなさいシャムロッド」


「ほらほら、惑星カニメシが見えてきますよ」


「トリンさま、意識跳躍してた・・・」


「げ、サクラなんで分かるの?」

「サクラちゃんて何か秘密があるわね」

「ものすごいことがあるんじゃない?」


ポッ


うわ、またうつ向いて頬を赤らめたわこのオカッパ少女は。

どいつもこいつも個性が強すぎるわね。

マルさんが忘れられちゃうじゃないのよ!



「ポセイドン」

「この惑星はテラホーミングが完了していますね」


「はいキャプテン」

「ですが植民惑星ですから管制センターに許可を求めないと」


「全部お願いします」


「了解しました、キャプテン・トリン」



赤い砂嵐の星・・・「カニメシ」

確か重力が母星チーズよりも軽くて、大気も薄い。

サイクルが違うから、暦はどーなってるの?


「ポセイドン」

「私のデータベースにカニメシの情報を追加して下さい」


「はいキャプテン」



何かがあるわね・・・ここに。

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