第13話ファースト・プラティクス

「コンバット・フライ1番機、早く発進して下さい」


「わかってるわよ!おねーさま」


「こらこら『戦闘A・I』早く起動しろ!」


「はじめまして、マスター・シャムロッド」

「私は・・・」


「めんどくさいから全部省略して!」


「操縦は全てオートに設定しますか?」


「マニュアルに決まってるだろーが!このボケっ!」

「とっととエンジンに火を入れろ!」

「発艦出来ねーじゃんか!」



「マルさん!」

「なんで宇宙戦闘服着てるの?」


「僕だって役に立ちます」

「僕がビデオゲームオタクだって知らないんですか?」

「マニュアルは読破しました」


「マルさんに何かあったらマザーに顔向けが出来ません!」

「ゲームと実戦は違います!遊びじゃないんですよ?」


「行かせてください、今のままでは僕は赤ん坊です!」

「トリン、黙って行かせて下さい・・・」


ぎゅう


うわあああ・・・抱きしめられちゃったわ・・・幸せ・・・


へなへなへな


「トリンさま、可愛い・・・」




「カタパルト射出レディ?」


「OKです」


「ゴーッ!」


「おねーさま、発艦成功しました」

「目標のダミーシップまで向かうわ」

「うわっ!このバカ!」


「トリン、2番機の発艦準備完了しました」


「発艦して下さいマルさん」


「ゴーッ!」


「いいですかマルさん、これは実戦訓練ですから」

「感触を掴んで下さい、生還のために!」


「はいトリン」


「キャプテン・トリン」

「1番機が、違う方角へ行ってしまいました」


「え、なんで?」

「シャムロッド何してるの?」


「こらー!クソババア!あたしの命令を聞けええ!」


「・・・・・・」

「サクラちゃん?」


「はい、トリンさま」


「1番機の『戦闘A・I』をまともな人格プログラムにして下さい」


「はい、トリンさま」



「マルさんいいですか?」

「レーザー兵器をターゲットに命中させるのが初期訓練です」

「コアミサイルも試してみて下さい」


「オートロックのシステムも理解していますね?」


「はい、トリン」


ピィピィピィ


ビット・・


バンバンバンッ


「うわあ、もう撃破しちゃったよ・・・」


「おねーさまあ!このババアが言うこと聞きませんー!」


「いいのよシャムロッド、あなたは歴戦の古参兵だから」

「訓練なんて必要ないの!」



「マルさん!」


「トリン、本物はゲームよりもリアルで面白いですね」


「でも一回死んだら終わりなのよ?」

「トリンは何回も生き返るけど・・・ゾンビかしら?」


「キャッハッハッハ」

「おねーさま、おっかしい!」「ひーっひっひっひっ!」

「ゲホッゲホッゲホッ!」


「シャムロッド先輩」


「何よ?」


「『戦闘A・I』を改造しておきました」


「か、改造ってあんたバカ?」

「まともなA・Iに治せってんだよこのメスブタぁ!」


「きゃあっ!」


「シャムロッド!サクラちゃんが怖がってるでしょ?」

「あなたガラが悪すぎるわよ?」


「お、おねーさまに言われたくないわよ!」


「姦しい(かしましい)ですね?ミスター・ポセイドン」


「ええ、ミスター・マール」

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