第12話A・I

「おねーさま!おねーさま!」


「なにシャムロッド?」


「ポセイドンちゃんが」

「他の人格プログラムに乗っ取られてるわよぅ・・・」


「!」


「冗談はおよしなさい、そんな事はあり得ません」


「ぶぅぅ・・・」




「はじめまして、ドクター・トリン」

「私はこのシップの管理プログラム、シャンデリアです」

「あなたの後ろに隠れているシャムロッドに」

「頭脳サーキットを見せなさいとお伝えになって?」

「オーホッホッホッ!!」


「うわあ、何こいつ?」

「完全にいかれてるわ・・・」


「ねえ?あたしの言った通りでしょぉ?」


「どーなってるの?」


「あいつよ、おねーさま」


「え?」


「サクラよっ!」

「あのブリっ子が昨日、倉庫に眠ってる」

「コンバット・フライを見つけやがったのよぅ!」


「なにそれ?」


「単座式の戦闘機よ」

「壊れてるから倉庫に眠ってたの」


「あのチビガキ、あたしの経歴調べやがったみたい」

「あたしが昔戦闘機パイロットだったの知ってるから」

「あたしに搭乗させるつもりよ?」

「おねーさま、あのチビを止めて!」


「え?シャムロッドって戦闘機に乗れるの?」


「おねーさま知らなかったの?あたしはベテランパイロットよ」

「あらゆるミッションに参加したわ・・・」

「全部生還できたし」

「このシップの撃破の仕方も知ってるわ」


「うっひゃああ・・・」


「あの人格プログラム、サクラが造ったのよ」

「コンバットフライの『戦闘A・I』にする気ね」

「ポセイドンちゃんの代わりに使ってテストして遊んでるのよ」

「まったく!とんでもないメスガキだわっ!」


「うへえええ・・・」


「ちょっとそこのお二人、全部会話は聞こえてますわよ?」

「私はこのシップの効率化と保安のためにですねえ・・・」


ブチッ!


・・・・・・・・


「ふう、ヤバかったわ・・・」


「おねーさま何したの?」


「シフト・ブレイクボタン」

「ヤバイ時にはこれを押せばいいのよ」


・・・・・・・


「シスター・サクラ!」

「勝手な行動は謹んで下さい!」


ポッ


うつ向いて顔を赤らめたわ、確信犯だわコイツ。


「で、でもトリンさま・・・」


「何ですか?」


「シップの戦闘力が跳ね上がるのは良い事じゃないの?」


「!」


「確かにあなたは暴走するのが趣味のようですが・・・」


「トリンさま、私まちがってますか?」


瞳がうるうるしてるわ、可愛すぎる。


「わ、わかりました」

「これからは何かする時は私に報告をして下さい、いいですね?」


「はいトリンさま!」





「キャプテン・トリン」

「何なのですか、あのクソババアは?」


「ごめんなさいポセイドン」

「管理プログラム・シャンデリアは」

「コンバットフライに搭載します、許してあげて下さい」


「おねーさま、あたしにまたパイロット経験させる気?」


「はい」


「ヤレヤレだわ・・・また輝かしい栄光が刻まれちゃうわよ?」

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