第11話サクラ・ストラトス

私達は大気圏を離脱して、惑星「カニメシ」へ向かっている。



「キャプテン・トリン」

「いつまでマルさんと遊んでいるんですか?」


「うっさいわねえ・・・」

「トリンはマルさんのものなのよ!」

「シスター・シャムロッドに、キャプテン代行させてあるから」

「あの娘に、全部頼みなさい」


「・・・シスター・サクラが・・・」


「何よ、サクラが何かしたの?」


「このシップを改造してます・・・」


「!」


「あわわわわ」


・・・・・・・


「シスター・サクラ!」


「あなたは何をやっているのですか?」


「・・・・・・」


このオカッパ頭の少女は、作業ツナギを着て・・・?

何この子、化石時代の生地のツナギを着てる。

工具セットを置いて、パネルを外した穴に潜ってるけど。


「サクラ!このシップを壊さないで頂戴!」


「・・・・・・」



あ、私の頭脳サーキットにメールが来たわ。


・・・・・・・


【愛するトリンさまへ】


【はーい!お元気してますか~?サクラちゃんで~ス♡】


【余計なお世話サマーかと思いますけんど】


【シグマ駆動炉の起動時間短縮回路ちゃんと・・・】


【素粒子魚雷のチャージ時間短縮回路ちゃんを組んどいたから】


【トリンさまのコンバットライフに役立ててね?・・てへっ♡】


【サクラちゃんより♡】


・・・・・・


「シスター・サクラ!」


「言いたいことがあるなら、口頭音声で言いなさい!!」


「・・・・・・」


この子の凄さがまた分かったわ・・・


「キャプテン・トリン」


「未確認の回路基板が、2つありますが・・・・」

「こんなものは、現在のメカトロニクスではありませんよ?」

「未来テクノロジーです・・・」

「これはいったい・・・・」


「ごめんなさい、ポセイドン」

「全部シスター・サクラのしわざです」

「無理やり認証させて下さい」


「了解しました」


「・・・・・」


ゴソゴソゴソ・・・


あ、サクラが出てきた。

うわっ顔がマックロ!


「わかったわよサクラ。あなたはメカニックマンなのね?」


無言でうなずいたわこの子・・・

ダボダボの作業ツナギが可愛すぎる。

反則の帝王ね、この少女は・・・


ビィィィィィ!


・・・・・・


「どーしたの?シャムロッド」


「おねーさまあ!」

「あたしじゃあんなものは相手できませんよぅ!」


「え?」


「キャプテン・トリン」

「不審船が、側面至近距離に居ます」

「レーダー反応も目視も出来ません」


「え?」


「今になるまで気が付きませんでした」


「ランデブーしてるの?」


「不審船の側部魚雷発射管が開きました」


「何やってんのよ!」

「側部光子ビーム砲、全砲門速射あ!」


ビットッ・・・


「うわああああ」


「不審船の爆発に巻き込まれてます」


「隔壁閉鎖して!」


「了解」


「シスター・サクラに応急修理を頼んで下さい」


「了解しました、キャプテン・トリン」


・・・・・・


「サクラちゃんが来たから。もうこのシップは大丈夫ね」


・・・・・・


「ポセイドン」


「はい、キャプテン・トリン」


「シグマ駆動炉でジャンプします」

「シスター・サクラが付けた回路が不安ですが・・・」

「すぐに起動して下さい、全クルーに伝達して」


「起動完了しました、コイルも接続完了」

「今すぐジャンプできますが?」


「あわわわわ」

「ちょっと待って!みんながエアベルト固定させるまで待って!」


・・・・・・・


なんて娘なの、あのオカッパ少女は?

シスター・サクラの過去が知りたくなったわ。


・・・・・・・

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