第9話ホメオパス・タウン
・・・・・・・・
「・・・・・」
ん?
ここはどこなの?
ここはホメオパスタウンのオフィス街だわ。
雑居ビルが乱立している区画ね。
ここは最上階、じゃない屋上に座っているけど。
私も辺り一帯もオレンジ色に染まっている・・・
フェンス越しに落日が見える。
「キレイ・・・・」
秋風がホホを撫でてる。いや春風なのかしら?
気持ちよすぎる・・・
「・・・・・」
「何で涙がでるのかしら・・・」
私のボディは最新だけど、お洋服が時代遅れじゃないかしら?
「・・・・・」
記憶がクリスタルチップに蘇ってくる、まるで水滴のはんてん。
ジグゾーパズルのピース・・・・
「ヒメギミ・・・ロンド・・・」「マザー・・・」
「機械化師団・・・」
「海・・・海水の味覚・・・」「私の涙・・・・」
・・・・・・・・
涙があふれだした・・・止まらなくなっちゃった・・・
・・・・・
「ん?」
「向こうの上空から、何かが来るわ・・・・」
「何だろう?」
目視カメラ、望遠ズーム。まだ見えないわね・・・・
「弾道ミサイル?」
「私を目標にしてるわ!」
「あーっ!」
あれは、シスター・シャムロッド!
彼女が空から落ちてくる・・・
何で?
・・・私なら何とかしてくれると思ってるのね。
「本当に甘えん坊さんねえ・・・」
「私が受け止めてもへっちゃらだけど」
「このビルと辺り一帯が、コッパミジンに成るわね・・・・」
シュミレーション開始・・・・演算結果が出たけど。
うーん、ホントにこの跳躍の仕方ででいいのかしら?
現実化確率データを信じるしか無いわ!
「うわっはっやい!」
「!」
「何であの娘は全裸なの?」
あんな体してたんだ・・・幼児体型ね・・・
「はっ、今すぐっ!!」
タタタタッタ・・・・
ピョンピョンぴょーんっ!
・・・・・・・・
「おねーさまあ!!」
「シスター・シャムロッド!」
「私のお洋服を脱がすんじゃありません!!」
「うえーーんっ!!」
「着地の衝撃に備えなさい!シャムロッド!!」
ズズズ~ンッ・・・・!!
うわああ、賠償額いくらだろう?
ザザザザ・・・・
ブッツン
「・・・・・」
「はっ?」
わ、私はいったい?
「どうしました?ミス・トリン」
「ご、ごめんなさい、ミスター・ハチロウ」
「私、ちょっと寝不足で・・・」
テーブルに向かい合って椅子に座っている。
ここは、コード・ハチロウのアパート部屋。3階・・・
不審な人物が廊下で見張っている。
白髪の老人・・・・
「ミス・トリン。あなたは面白いことを言う人だな」
「す、すみません」
「俺がこの世界の人間じゃないなんて、ケンカ売ってますか?」
「ご、ごめんなさい!警察も救急車も呼ばないで!!」
こ、この男、ただものじゃないわ!!
私の頭脳サーキットに侵入してくる!!
防壁が全部パーにされちゃったわ!
バンッ!!
「おねーさま!!」
「お助けに参上したわ!!」
「シスター・シャムロッド!!」
「な、なんだ君は?押し売り強盗かっ?」
「け、警察を・・・・」
バシッ!!
ぐてん!
「危なかったわね、おねーさま!!」
「どーなってんの?」
「このクソジジイですよ!!全ての元凶は!!」
「この気絶してるご老人が原因?」
「キャッはははは!」
「おねーさま、おっかしい!!」
「あーつかれうぅ・・・」
「私の頭脳サーキットがレイプされちゃったわ・・・」
「いいから、早く逃げるわよ!おねーさま!!」
「え、え、え?」
うわっ何この子?
一瞬で私ごと、外の路地に空間跳躍してる!!
この娘、とんでもない能力を隠してたのね!!
テレポテーション?
高速過ぎて、目視できない!
・・・・・・・・
「あれ?なんでシップの中に居るの私は?」
「おねーさま!!ポセイドンちゃんに指示を出して、早く!」
「は、はい!」
「ミスター・ポセイドン。緊急垂直離脱!」
「了解しました!」
バウン、ボンボンッ・・・ブワアアッ!!
・・・・・・・
「なんかやばかったみたいね?」
「おねーさま、あたしが居ないと何にも出来ないんだから!」
「・・・・・・」
「あのハチロウって男は、どーしちゃったの?」
「あの人は、本当は善側の人なんだけど」
「あのクソジジイにハメられてるんですよう!」
「この世界を救いに来たんだけど、洗脳されちゃったの」
「ハチロウの能力は、あれは神の力ね?」
「そーなのよぅ、だから逃げるしか無いのよ、おねーさま!」
「・・・・・・」
「おねーさま、早くメディカルルームで頭脳サーキットを」
「全部治してきなさい!」
「がーん!!」
・・・・・・・・
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