一つのソファ、一つのテレビ、一つの映画

さらば、素敵な世界

最後まで理解は出来なかったけれど

自分が不良品なのはわかったよ

寂しくないさ、やっと心の諦めが出来たんだ


ああ、嫌いな世界

最後まで滅んでほしかったんだ

自分の正しさ、正義、心の

認めてほしかったのに、さよならさ


並べた椅子に座りたい

はんぶんこでも良かったんだ

隣の君が嬉しそうに笑って話すから

綺麗で嫌いで綺麗で嫌いで

お前より私が凄いんだよ

世界を見てるんだって馬鹿にした


知っていたよ、君は優しい

ドロドロの感情を持っていても

信じていたい、それは無駄じゃないって

思ってる、思ってくれる、悲しいな


苦しんでいるよ、君は眩しい

すべてを包み込む優しさ

でも少しのズルさ、それを知りながら

君は信じる、信じてくれる、苦しいなぁ


なんで目の前に立って手を差し伸べられないんだろう

汚い? 血だらけ? 好きだから?

嫉妬しているから

ああ、全ての君が好きだよ、そばにいて

私を奈落の底に突き落として見下げてね


馬鹿だなぁ、落ちないでいいよ

必死な顔をして、手を伸ばさないで

別れの言葉を言っただろ?

「嫌いだったんだ。もう会いたくない」


でもね、でもね、そばにいたい

守りたい、大切にしたい

独りよがりだって知っているから

悲しい顔をするあなたを守りたい


残された部屋の中に二人

出かけて、帰ってきて、出かけて、帰ってきて

大きなテレビで映画を見たさ

うん、暖かいね、といいあった

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