初恋ラストノーツ

伝えられないまま去ってごめんなさい

いつか戻れたらと噛み締めて生きてきました

聡い貴方だから気づくだろうと

遠い街に行きました

そして気軽に行けなくしました


何十年かかえて、何十年も後悔して

嫌いになったのが思い出か

嫌いになりたいのは貴方なのか

それとも全て嫌いになれば?


過去も嫌いになれたら、なんて

言い訳も苦しくて泣き出して

本当を知っていると胸が痛い

会いたい、会えない、どうしてこうなって


ワタシの全てをあげられないなら

貴方の前から消えたかったのです

遠い街には慣れたけど

ふと思い出すのは貴方の声

それぐらいに貴方が近い


長い長い別れはワタシを変える

新しいものが増えて嬉しくて

一番に貴方に言いたい

大丈夫です、生きてます、幸せですと


だから、これはツケなんでしょう

目の前の貴方は黙ったまま

何十年も探してくれたのを

ワタシは知ってる、嫌いになりそう


カミサマ、ワタシは悪い子ですか?

思い出も、想いも伝えようとしない

再会さえも投げ捨てて

貴方の心を踏みつける


笑顔で「久しぶりです」と言えているかな

ワタシは「元気です」と言えているかな

貴方の幸せを願えているかな

そんなことない、そんな訳がないでしょう


返事も聞かずに背を向ける

これがドラマだったら抱きしめられるよね

そんなことが起こらないはず

だって貴方はオトナだもの

大丈夫、ワタシの人生の一部であり続けて

それは未来まで繋がらないよう

貴方の幸せだけ願う卑怯者

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