煉逢之物語

恋が痛い 愛が辛い

奪って見せてと言われて泣いた

ああ、銀の皿に首を飾るよ

差し出せば何が見える?


心に恋 体に愛

犯して見せてと言われて黙る

ああ、銀の皿に身を捧ぐ

君は少しでも笑ってくれた?


肉と果物が溢れ出す

酒の泉に身体を浸し

常に有為で有意で生きていく

そうでもなければ生きられない

恋に溢れて体を犯され

愛が刃物で切り刻む

銀の皿に飾られるのは誰?


恋悲し 愛しい

腕も足も首も捥ぎ取られ

銀の皿は赤く染まるよ

君は、世界一美しい


憂い恋 殺し愛

心も臓も脳も盗り出され

銀の皿は黒く染まるよ

吾は、恋と愛を繰り返そう


震えと畏れが溢れ出す

今日の敵は今日の友

今日の友は明日に死に体

割り切らなければ生きられない

異臭と錆と黒く、黒く

銀の皿は罪になっていく

君は少しでも救われた?


壊れた脳は恋と愛と君を探す

銀の皿に飾られた花を貪りながら

咽かえる臭いは命の証

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